• すべてを完璧にこなすよりも、やらなくていいことを省きながら効率よく。片づけで何より大切なことは「理想の暮らしを思い描くこと」と話す片づけアドバイザーの石阪京子さんに、すっきりときれいをキープする片づけのコツを教わりました。
    (『天然生活』2022年9月号掲載)

    片づけが苦手でも、諦めずにいろいろ試してみる

    片づかないときは、苦手だからと諦めずにいろいろ試してみて、と。たとえば台所が狭いから水切りかごをなくしたい、でもなくせない。

    そんなときは、食器をすぐにしまえない自分を責めるのではなく、しまいやすい位置に食器棚を置いているか、中身がいっぱいになっていないか、扉の開閉がしづらくないかなど、手が止まる原因を探って、と石阪さん。

    「片づけで何より大切なことは、理想の暮らしを思い描くことです。それがあれば、何をどのくらい持つか、どう片づければいいのか、はっきりします。私の場合は料理が好きで、家族と笑顔で食卓を囲む暮らしが理想です。台所は使いやすくすっきりさせ、食器棚は大きくした代わりに、器以外のものは手放してスペースを確保しました。これからご紹介するヒントを参考に、みなさんも理想の暮らしを実現してくださいね」

    水切りかごを置かない

    作業スペースが広く、料理がしやすくなる

    画像: 水切りかごを置かない

    あるのが当たり前だと思いがちな水切りかご。わが家にもありましたが、衛生的に使うことが難しく、調理スペースも圧迫されていました。

    いろいろ試し、洗い終わった食器はキッチンペーパーの上に置くことに。

    水切りかごを洗う手間がなくなり、調理スペースが広くなったので、料理がしやすくなりました。なにより見た目がすっきりして、気分がいいです。

    キッチンペーパーを使い捨てるのはもったいないと思っていましたが、使い終わったらガス台やシンク、床などをふくので掃除も気楽にでき、一石二鳥でした。

    台所の壁に調理道具を吊るさない

    壁の掃除が格段に楽。衛生的に道具も使える

    画像: 台所の壁に調理道具を吊るさない

    台所の壁は意外と油が飛んだりにおいがついたりするので、私は一日の終わりにふいています。

    毎日ざっとふいておけば、大掃除がいらなくなり、結果としてとても楽。ですが、調理道具を台所の壁に吊るしていると、壁の掃除が面倒に。

    また、出しっぱなしは不衛生でもあります。料理家さんのように毎日何時間も台所にいて、すべての道具を頻繁に使う家庭でない限りは、収納してはいかがでしょうか。

    スペースがない場合は、調理道具を持ちすぎていないかチェックを。入れ子にできる道具を選ぶのもおすすめです。

    便利グッズや専用グッズは買わない

    省スペース化。代用品で工夫するのも楽しい

    画像: 便利グッズや専用グッズは買わない

    栗むき器やアボカド種取り器、ゆで卵カッター、にんにくつぶし器など、便利グッズの類は安く簡単に手に入ります。しかし、つい買ったけれど、よく使っているという人は多くないようです。

    収納スペースが足りない場合には不用品を手放すことが必要なので、使用頻度が低いならば、ほかで代用できるものは処分候補に入れましょう。

    ちなみに私は、サラダをよくつくるものの、サラダスピナーは場所をとるので、ボウルとざるで代用する方法を考えつきました。自分なりの工夫ができると、家事も楽しくなる気がします。

    収納の分類を細かくしすぎない

    ざっくりとした収納で、出し入れを手軽に、楽に

    画像: 収納の分類を細かくしすぎない

    収納場所を決めたのに、リバウンドして、ものが出しっぱなしになってしまう……。そんなときは、しまう場所を細かく分けすぎているのかもしれません。

    ボールペン、テープなどと種類ごとに収納用品に入れているお宅もありますが、文房具でざっくりひとくくり。

    台所の食品も同様です。乾物類、缶詰など、大まかに分けて収納用品の分類を少なくしましょう。どこに何があるのかすぐにわかり、出し入れしやすくなるので出しっぱなしも防げます。

    いくつもあった収納用品の厚みが減る分、スペースも広くなります。



    <監修/石阪京子 取材・文/長谷川未緒 イラスト/清沢佳世>

    石阪京子(いしざか・きょうこ)

    片づけアドバイザー。宅地建物取引士。JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。収納監修、片づけレッスンのほか、オンラインレッスンなども開催。独自のメソッドは一度やれば絶対にリバウンドしないと評判。『奇跡の3日片づけ』(講談社)『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)など、著書多数。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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