(『天然生活』2022年9月号掲載)
リバウンドしない片づけのコツ
家族みんなで使う共有スペースと個人で使うプライベートスペースをしっかり分けることが、リバウンドしない片づけのコツです。
部屋を割り振ると収納の大枠が決まるので、そこに収まるように持ちものを厳選します。現代の住まいはモデルルーム通りの部屋割りで使うことが最も散らかりにくくなっています。
もしもどう部屋を割り振ればいいのか迷ったら、基本に立ち返るといいでしょう。
子どもの学習道具をリビングに置かない
子ども部屋に置き、家全体が散らかるのを防ぐ
リビングで子どもが勉強する家庭は少なくないでしょう。その際、学習道具をリビングに置きっぱなしにするのはおすすめしません。
勉強中だからと片づけられず、道具が散乱した状態に家族が慣れてしまい、家全体が散らかるからです。リビングで勉強し終わったら、道具は一式、子ども部屋へ片づけましょう。
かごなどにまとめてあげれば自分で持ち運びでき、自立心も育まれます。子ども部屋がない場合は家の中に子ども専用スペースをつくり、そこへ。
リモートワーク中の大人が家で仕事をする場合も考え方は同じです。
家族のものを勝手に捨てない
声がけして、イライラ、けんかを防止
片づけたいのに家族が非協力的だとイライラしますが、けんかになっては本末転倒。
「友だちが遊びに来られる家にしよう」「不用品を売ってお小遣いにしよう」などと声がけして一緒に片づけを。それでもダメなら気持ちを切り替え、淡々と自分の部屋と共有スペースを片づけます。
共有スペースにあふれた個人のものは勝手に捨てずに「移動させてね」といって夫や子どもの部屋、個人のものを置くスペースに置きます。
経験上、共有スペースがきれいになってくると、自分のスペースも片づけたくなっていくものですよ。
ふとんの収納に圧縮袋は使わない
置きたい場所に収納しやすい形で
収納用品は中に入れるものに合わせて選ぶのではなく、「収納場所のスペース」というもともとある枠に合わせて選ぶことが大切です。
ふとん圧縮袋は平べったいので、体積は小さくなりますが、サイズが置きたい場所に合わないことが多いのです。しかもつるつるしているので重ねづらく、吸引力の強い掃除機も必要です。
オフシーズンになったふとんは、Yシャツにぎゅっと押し込み着せるようにして収納するといいですよ。収納スペースを有効に使えますし、押し入れの天袋やクローゼットの枕棚にも置きやすくなります。
柄もののタオルを持たない
色と数を場所ごとに決め、定数を管理する
ものは収納スペースに対して7割までにすることが片づけのリバウンドを防ぐコツ。一度減らしたら増えないように定数を決め、管理します。
わが家は台所で使う手ふきタオルはブルー、洗面所で使うフェイスタオルはグレーで、それぞれ枚数も決めています。以前はいろいろな色や柄のタオルを使っていましたが、洗面用と台所用の区別がつかず、枚数も把握できませんでした。
あれこれ種類を持たずに決めてしまうことで、定数管理がスムーズになりました。なお、持つ枚数は洗濯頻度に合わせて決めるといいでしょう。
<監修/石阪京子 取材・文/長谷川未緒 イラスト/清沢佳世>
石阪京子(いしざか・きょうこ)
片づけアドバイザー。宅地建物取引士。JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。収納監修、片づけレッスンのほか、オンラインレッスンなども開催。独自のメソッドは一度やれば絶対にリバウンドしないと評判。『奇跡の3日片づけ』(講談社)『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)など、著書多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです