野菜は健康維持に欠かせないものですが、その栄養を最大限に生かす切り方があるのをご存じでしょうか? 日々、食材を使い切ること、その栄養を効率よく生かすことを実践されている管理栄養士の中井エリカさんに、「玉ねぎ」の栄養を効率よく摂れる切り方と調理法を教わります。
(『天然生活』2021年11月号掲載)
(『天然生活』2021年11月号掲載)
玉ねぎの栄養のおはなし
玉ねぎに含まれる特徴的な栄養成分が、あの特有の香りや辛味のもと、硫化アリルです。生活習慣病の予防に働くといわれており、空気に触れると活性化します。
また、皮に含まれるポリフェノールの一種・ケルセチンも、血液サラサラ効果や紫外線から肌を守る働きのある、今注目の成分。
玉ねぎの切り方と調理のポイント
切り方
硫化アリルは空気に触れると活性化するため、みじん切りや薄切りなどで細胞を壊すと効率よく摂れます。
● 生食のときは横向きにカット
生食の場合、縦に走る繊維(細胞)を断つように横向きに薄く切ると、硫化アリルが効率よく摂れます。
● 皮の栄養成分は水につけて抽出
ケルセチンは水溶性のため、水1Lに塩ふたつまみを入れたものに1日程度つけて抽出して。
調理法
皮は抽出してスープなどに活用すれば、健康アップが期待できます。
調理例
・オニオンスライスなど生食
・皮のだしはスープに
〈撮影/元家健吾 取材・文/野上郁子(オフィスhana)〉
中井エリカ(なかい・えりか)
管理栄養士。社員食堂に勤務後、フリーに。作り置きを紹介するインスタグラム「簡単レシピ 作り置き」や、YouTubeチャンネル「食堂あさごはん」が人気。著書に『栄養を捨てない料理術』(大和書房)、『野菜がおいしすぎる作りおき』(エムディエヌコーポレーション)などがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです