本の集められた小さな空間は、だれかにとっての大切な居場所になります。 イラストレーター・西淑さんのお気に入りの書店「汽水空港」を取材しました。
(『天然生活』2023年9月号掲載)
(『天然生活』2023年9月号掲載)
イラストレーター・西淑さんの好きな書店
「汽水空港」
廃屋だった空き家を、数年かけて自らの手で、本屋に改装したモリさん。
畑や田んぼを耕し、半自給自足的な暮らしをしながら、「汽水空港」を営んでいます。
「並べているのは、50年後、100年後に生きる人が読んでも、心に響くような本です。そこにはきっと、人間だれもが直面することが描かれているから。本を通して、自分の知らない世界、あらゆる価値観に出合ってほしいなと思っています」
西さんが好きな理由
本屋さんの本棚に並ぶ本は、店主の考え方や哲学を表していると思うけれど、「汽水空港」は本棚に留まらずお店まるごと、店主のモリさんの生き方を表しているよう。本以上のものが受け取れる本屋さん
店主・モリテツヤさんのおすすめの本
『応答、しつづけよ。』
人類学者によるエッセイ集。
「世界は外部から分析、描かれる対象ではなく、ともにつくるものであるという。アート、建築、デザインの領域をまたぎながら、著者とともにこの世界を再び歩き直すような読書体験をもたらしてくれます」
汽水空港
住所:鳥取県東伯郡湯梨浜町松崎434-18
営業時間:12:00~19:00
定休日:水・木曜
<イラスト/山元かえ 取材・文/石川理恵>
西淑(にし・しゅく)
福岡県生まれ、京都を拠点に活動中。雑誌、広告、パッケージ、CDジャケット、書籍の装丁のほか、紙ものや雑貨などのイラストレーションも手がける。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです