(『天然生活』2023年6月号掲載)
便利なツールを使って自分たちの時間をつくる
使う分だけつくり、むだなく使う。そうして効率的にエネルギーを使うことで、川畑さんは自分の時間をつくっています。
「クリエイティブな仕事をしようと思うと人に会ったり、出かけたりできる、自由な時間が必要になります。日々の作業に追われていると、クリエイティブな発想はなかなか生まれてこないから、任せられるところは家電に頼る。“田舎暮らしもハイブリッド”が、ストレスなく暮らすキーワードです」
息子さんがひとり暮らしを始め、子育てはひと段落。新たに見つけた楽しみが車中泊。バンの後部座席をたたんでベッドをつくり、愛犬と一緒に出発。友人を訪ねて、福岡や熊本を訪れたそうです。
「子育てが終われば、それほど広い家はいらない。居住空間は小さく、そのぶん庭を広くして、半屋外にキッチンをつくれば、人が集まれる場ができる。全国各地にそんなGOOD-TIME PLACEが増えて、互いに行き来し合えたら楽しいですよね。ノマドで仕事しながら、車中泊でめぐるのが、次の楽しみです」
使わない
車中泊で旅してホテルは使わない
ふたりの新たな楽しみが、車中泊。後部座席をたたみ、デイベッドとボックスを置いてマットレスを載せれば、快適なダブルベッドに。
車にはサイドタープも備え付けてあり、テーブルやイスを出して、お茶や朝食を楽しむことも。
「寝具付きで遊びに来てくれたら迎える方も楽だから、車中泊の楽しみを広めていきたいです」
使わない
コンポストは使わず、ニワトリに
調理中に出た野菜くずは、庭で放し飼いにするニワトリたちに与えています。固い芯も外葉もきれいに食べてくれるので、コンポストいらず。
「初めは細かく切ってあげていましたが、大きいままでも食べてくれるとわかって、最近はそのままあげています。朝起きて、鶏舎をのぞくと産みたての卵があって、循環を実感しますね」
<撮影/白木世志一 取材・文/宮下亜紀>
川畑健一郎、夕(かわばた・けんいちろう、ゆう)
DWELL主宰。鹿児島を拠点に住宅や店舗デザイン、家具製作など、暮らしにまつわるさまざまを手がける。「コンテナFARM」やデイベッドは販売も。妻・夕さんは材料集めから始めるリースづくりのワークショップを主宰、愛車バネットで友人とマルシェ出店も。https://dwell-lab.net/ インスタグラム@dwell_kagoshima
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです