(『天然生活』2022年9月号掲載)
子どもとの暮らしから生まれる、意外なアイデア
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
新たな家族も増え、長男の園之(その)君は3歳、次男の蓮(れん)君は1歳に。
何にでも興味をもつ年頃のため、食器棚に目隠しカーテンをつけたり、大切にしている民芸品や、口に入れると危険な化粧品などは高いところへ置いたりしているそう。
おかもち型がユニークなキッズ用ハンガーラックなど、子どもとの暮らしから、意外なアイデアが生まれることも。持ち手付きで簡単に移動させることができ、省スペースにもなる優れものです。
一見、無造作に見える片づけ方に、骨太な美意識とさりげない遊び心、家族への優しさが垣間見えます。
「たくさんものがあるのに不思議と雑然として見えない、と人からいわれたことがあるのですが、それはひとつひとつを、よく吟味して選ぶせいかもしれませんね」
ほどほどに整える
置き場を決めて、すっきりと
同じ種類のものは、置き場を決めて、まとめて整頓。ごちゃつき感がなくなり、探すひと手間も省けます。
子育て真っ最中のため、置き場所にもひと工夫を
コスメは子どもの手が届かない窓上、リモコンはかごへ。
ベッド横の椅子は、寝冷えしそうなときにすぐ手に取れるよう、予備ブランケット置きに。
吊り下げ収納や棚で、空間を活用
細々したものは、吊り下げたざるや、壁に取り付けた棚にまとめてすっきりと。
鍋つかみや「バウルー」も定位置に吊り下げ収納。コンパクトなキッチンでも、使えるスペースが広がる。
お盆&トレー、調味料は、決まった場所にまとめて整頓
コレクションしているお盆やトレーは、ふだん使うものだけを、自作した棚にまとめている。
調味料はキッチンのコーナーにミニ棚をつくって整理。びん入りのオイル類もここへ。
ほどほどに整える
スペースに収まる分だけをキープ
増え続ける本、食器、民芸品は定位置を決めて、見せる収納に。思い出や愛着があるものたちが、心地よい空気感を生み出します。
ガラス戸の上を、コレクション棚として活用
裏庭に面したリビングのガラス戸の上に、日本の郷土玩具を並べて。素朴で愛らしい色かたちが、家族を見守っているよう。
子どもたちの手が届かない高さなので、ちょうどよい飾り棚に。現地を旅した際に手に入れたものが多い。
手元に置きたい本は、自作本棚にぎっしりと
アートやデザインに関する本や、知香さんと共有している本は、入る分だけ自作の本棚へ。
オフィスにもこの約4倍の本があり、気に入っているものを自宅に置いているそう。園之君の赤ちゃん時代など、思い出の写真も目線の位置に。
普段使いの器は、自作の食器棚にまとめて
食器棚は服部さんがDIYでつくり、知香さんが後に、子どもたちが触らないよう目隠しカーテンをつけた。ふだんよく使うものだけをここに収納。
片づいて見える便利なアイテム
S字フックを活用して
下着類は英国製の靴箱へ
ワイヤーかごを食料庫に
<撮影/竹田俊吾 取材・文/野崎 泉>
服部滋樹、知香(はっとり・しげき、ちか)
graf 代表、クリエイティブディレクター、デザイナー。1998年に友人たちと地元大阪で「graf」を立ち上げる。 京都芸術大学芸術学部情報デザイン学科教授。8月末には大人も子どもも楽しめるプロダクトを紹介する「PLAY TOOL Project」を始動予定。https://www.graf-d3.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです