• きっちり片づけることを目指すと、「今日も片づけられなかった」と思ってしまいますが、「ほどほど」を基準にすれば、無理なく続けられます。今回は、chicuchicu315の山中とみこさんに、「ほどほどに整える片づけ方」と「片づいて見える便利なアイテム」について聞きました。
    (『天然生活』2022年9月号掲載)

    「見せたくないものは隠し、見せたいものだけを表に出す」がポイント

    最小限のものしかない家は、片づけが必要ないくらいすっきり見えますが……。

    「見えているところは、気をつけていますが、見えていないところはざっくり収納なんですよ」

    山中さん流片づけのポイントは「見せたくないものは隠し、見せたいものだけを表に出す」こと。そして、部屋の印象は「面」に左右されるから、自分が好きな色や素材で広い面をつくると、自ずと自分らしい空間になるというのです。

    棚を白く塗り、カーテンはお気に入りの布をかけ、収納はかごやざるなど天然素材のものを活用し、好みの「面」を家の随所に配し、当座とはいえ、納得のいく空間にしつらえました

    「目に見える範囲の情報を少なくするという意味で、面のほとんどは白で統一しました。色のつくものが目に入るとごちゃごちゃしていると感じるし、散らかって見えるような気がして……」

    では、見えていない場所はどんなふうでしょう? たとえば、文房具の入っている引き出しを見せていただくと、かなり大ざっぱ。仕切りのない引き出しに、ハサミや定規がランダムに入っています。

    「片づけがマメにできるタイプではないので、細かな収納はしていないんです。適量さえ心がければ、ざっくり入っていても、探す&取り出すのに手間取りません」

    ざっくり収納では、ものを入れすぎないことが大事。山中さんは、持ち物のほとんどに「一定量」を心がけています。欲しいものがあれば、いまあるものの見直し。ものとのスタンスが、片づけの楽さにつながっているのです。

    ほどほどに整える
    かごやざるを上手に活用

    「ざっくり収納」派の山中さんの家で大活躍。収納ツールでありながら、インテリアの「素敵」を構成する大事なピース。

    布で隠せば、中身はおおざっぱでも

    画像: 布で隠せば、中身はおおざっぱでも

    台所の作業台の下に、お気に入りのざるや木箱を置き、食品のストックなどを収納。布で覆っているから、中は多少ごちゃついていてもOK

    昔の行李はあると便利

    画像: 昔の行李はあると便利

    古い行李に衣類を入れて、押し入れの下に収納。

    「展示会のディスプレイに使ったり、いろいろな場面で長く使っていけるので、あると便利です」

    ふたつきかごは、利用度2倍

    画像: ふたつきかごは、利用度2倍

    勝手口に棚板を取り付け、洗面&掃除道具置き場に。ふたつき竹かごの上下を分けて活用。

    石けん、スポンジ、タオルなどはすべて白で統一感を。

    ほどほどに整える
    よく使うものは色や形をそろえる

    何かを並べるときは、ガラス、アルミなど、素材感の同じもので集合させて。

    空間にまとまりが出て、不思議とごちゃつき感はなし。

    びんに入れ替えればほどよく整う

    画像: びんに入れ替えればほどよく整う

    山中さんが「見せる収納にしてもいいもの」と愛するガラス。色味がないので、たくさん並んでいても圧迫感はなし。

    使うびんは、古いものに混じって100円ショップや量販店のものも。素材が合っていれば形がバラバラでもしっくりと。

    器は黒と白と染付のみに

    画像: 器は黒と白と染付のみに

    大好きな器は、白と黒と藍の染付のみと決めて集めています。

    「好きに任せて増やせば、食卓でも収納でも雑多になってしまいます。『これしか買わない』と決めておくと、さまざまな場面で整いやすいです」

    軽くて丈夫なアルミを収納にも

    画像: 軽くて丈夫なアルミを収納にも

    鈍い銀色は古い家との相性ぴったり。古い鍋やカップなどを、道具入れなどに活用。

    「ガラスにはない気軽さ、丈夫さが気に入っています」

    片づいて見える便利なアイテム

    シンプルな服のラック

    画像: 色味を抑えたワードローブは、見せる収納にしても美しい。ポイントは適度なすき間をあけて並べること

    色味を抑えたワードローブは、見せる収納にしても美しい。ポイントは適度なすき間をあけて並べること

    ハリのあるトートバッグ

    画像: ろうびきのトートを服入れに活用。ときにバッグに、ときに収納にと、山中さんの収納ツールは常に多用途

    ろうびきのトートを服入れに活用。ときにバッグに、ときに収納にと、山中さんの収納ツールは常に多用途

    古い木箱

    画像: 木箱はインターネットオークションで入手。「古い木箱は佇まいが美しく、何かと使えるので、いくつあっても」

    木箱はインターネットオークションで入手。「古い木箱は佇まいが美しく、何かと使えるので、いくつあっても」



    <撮影/砂原 文 取材・文/鈴木麻子>

    山中とみこ(やまなか・とみこ)
    布作家/2003年、49歳のときに大人の普段着のレーベル「CHICU+CHICU 5/31」をスタート。現在は、埼玉県所沢市にてギャラリー&ショップ「山中倉庫」を不定期オープンしているほか、全国のギャラリーなどで展示会を開いている。『時を重ねて、自由に暮らす 50代、60代からの衣職住』(エクスナレッジ)などの著書がある。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.