使う食材は植物性のみ!
ヘルシーで、世界中の人が安心して食べられる「精進料理」
仏教の教えに基づき、肉や魚などを使わず、野菜や豆など植物性食材のみでつくる「精進料理」。
ヘルシーであるだけでなく、宗教や文化を問わず、世界中のほとんどの人が安心して食べることができる、いわば「食のユニバーサルデザイン」です。
一方で、肉や魚を食べ慣れている人にとっては、「物足りなさそう」「地味」「つくるのが難しそう」というイメージを持たれてしまうことも……。
そんなイメージを変えるのが、浄土真宗東本願寺派湯島山緑泉寺住職であり、料理僧でもある青江覚峰(あおえ・かくほう)さんが考案する、おいしくて満足感のある精進メニュー。
和食はもちろん、洋食やイタリアンまで幅広いレシピ展開で、これまでの精進料理の概念を覆すレシピです。
本記事では、青江さんの著書『毎日食べたい いまどき 精進ごはん』(オレンジページ)より、「精進ハンバーグのつくり方」をご紹介します。
大豆ミートとナッツでつくるハンバーグは、数種類のスパイスを加えて、深い味わいに。肉を使ったハンバーグのように、玉ねぎをみじん切りにしたり、肉をこねたりする必要もないので、手軽につくれます。
精進ハンバーグのつくり方
肉の代わりに大豆ミートとナッツを使って、食べごたえのある「ハンバーグ」をつくりました。
スパイスがほのかに香るエスニック風味に、青じそと大根おろしがよく合います。
材料(2人分)
〈たね〉 | |
● 大豆ミート(乾燥・ミンチタイプ) | 50g |
● カシューナッツ(無塩・いったもの) | 20g |
● アーモンド(無塩・いったもの) | 10g |
● 小麦粉 | 大さじ1と1/2 |
● ドライオレガノ、パプリカパウダー | 各小さじ1 |
● オールスパイス、塩 | 各小さじ1/2 |
● ナツメグ | 少々 |
● 大根 | 2cm |
● 青じそ(軸を切る) | 2枚 |
● オリーブオイル、しょうゆ |
つくり方
1 鍋にたっぷりの湯を沸かし、大豆ミート、カシューナッツ、アーモンドを入れて7分ほどゆでる。ざるに上げて水けをきる。
2 たねの材料を、フードプロセッサーなどでよく撹拌する。半量ずつに分け、小判形に整える。
3 フライパンにオリーブオイル大さじ2を中火で熱し、2を入れて両面を焼き色がつくまで焼く。
4 大根は皮をむき、すりおろして水分をきる。器に3を盛り、青じそ、大根おろしをのせてしょうゆ少々をかける。
〈撮影/長尾明子(minokamo) スタイリング/さくらいしょうこ〉
※ 本記事は『毎日食べたい いまどき 精進ごはん』(オレンジページ)からの抜粋です。
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メディアで人気の料理僧・青江覚峰さんは、毎日家族のためにごはんづくりをしています。
その経験から、「精進料理ってボリュームなさそう」「難しそう」「地味」というイメージを変える、おいしくて、ボリュームあるメニューを紹介してくださいました。
紹介しているレシピはすべて肉や魚などを使わないので、ベジタリアンやハラルの人も安心してつくることができます。和風からイタリアンの要素が入ったものまで幅広いレシピで、見て楽しく、作っておいしいものばかり。
だしや素材の話からスタートしていますので、はじめての人でも無理なく精進料理の世界に入っていけます!
青江覚峰(あおえ・かくほう)
1977年東京都生まれ。浄土真宗東本願寺派湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。ブラインドレストラン「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。ユニット「料理僧三人衆」の一人として講演会「ダライ・ラマ法王と若手宗教者100人の対話」などで料理を振る舞う。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほとけごはん』(中公新書ラクレ)、『お寺のおいしい精進ごはん』(宝島社)など。 https://www.ryokusenji.net/kaku/