• 新米の時季に役立つ自分好みのお米選びのポイントを、お米のプロである5ツ星お米マイスター澁谷梨絵さんに教えてもらいました。産地や品種の特徴を知り、見つけてみましょう。
    (『天然生活』2022年10月号掲載)

    全国各地の個性豊かなブランド米

    新米のおいしい季節がやってきました。

    「最近は産地や品種によってそれぞれ特徴がある、おいしいブランド米がたくさんあります。これまでは、甘くてもっちりしたコシヒカリが定番人気でしたが、つや姫に代表されるような甘味とねばりがほどよいバランスのものを選ぶ人も増えています。いろいろなお米を知って、好みの味を見つけてください」というのは5ツ星お米マイスターの澁谷梨絵さんです。

    たくさんの種類から選ぶポイントは、「産地、好みの味、栽培方法の3つ」と澁谷さんはいいます。

    お米選びの3カ条

    1 産地(迷ったら地元のお米)
    2 好みの味で品種を選ぶ
    3 安心安全な栽培方法を確認

    産地で迷ったら試したいのが、自分が生まれ育った地元のお米。なじみがある味なので、おいしく感じやすいでしょう。

    また、お米の味はもっちり、あっさりといったねばり具合、甘味の強弱など、産地や品種によっても違うので、下の図を参考にしてみてください。

    画像: 全国各地の個性豊かなブランド米
    品種味や粘りの特徴
    ミルキークイーン(福島県産)ねばりが強くてもちもちした食感。ほかのお米とブレンドしても、おいしく食べられる。
    コシヒカリ(新潟県産)ねばり、甘味、やわらかさ、つやのすべてがベストバランス。もっちり系王道人気を誇る。
    コシヒカリ(島根県産)新潟県産に比べて粒がしっかりして、ややあっさり系。ごはんとおかず両方を生かすお米。
    青天の霹靂(へきれき)(青森県産)ちょうどよいねばりとほんのりした甘味。ごはんが主張しすぎず、おかずを引き立てる。
    つや姫(山形県産)うま味たっぷりで、まるでだしを味わうような深みのある味。冷めてもおいしくいただける。
    ゆめぴりか(北海道産)ほのかな甘味で、強いねばりがある割にほぐれやすい。汁けのある料理でも存在感がある味。
    ヒノヒカリ(熊本県産)さっぱりした味わいで、ほのかな甘味が特徴。細長い粒が粒立ちをよくしてくれる。
    ななつぼし(北海道産)独特の長めの中粒で適度なかたさが。あまりねばりけがなく、あっさりした食感が楽しめる。
    あきたこまち(秋田県産)小粒でさっぱり、甘味も抑えめの味わい。かたさもちょうどよく、さらりと食べられる。

    有機栽培、無農薬など、生産農家のこだわりから生まれた品種も数多くあるので、そちらもぜひチェックしてみましょう。



    〈監修/澁谷梨絵 取材・文/工藤千秋 イラスト/赤池佳江子〉

    澁谷梨絵(しぶや・りえ)
    5ツ星お米マイスターなど6つの穀物の資格を持つ日本唯一の米屋。300カ所以上の田んぼに通いつめ、探し出した米や雑穀を「米処 結米屋」で販売。著書に『炊飯器で一発定食』(Gakken)など。業務用食材のフードロス販売サイト「食べて応援!Food Fun ゆめや」もスタート。
    食べて応援!Food Fun ゆめや

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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