実は知らない「洗濯ネット」の正しい使い方
縮みやすいニットや型崩れしやすい女性用の下着、絡まりやすいレギンスなどに洗濯ネットを使うことで、摩擦による衣類の傷みを軽減・保護する効果があります。
洗濯ネットを使うメリットとデメリットを知って、上手に使い分けしましょう。
洗濯ネットのメリット
● 摩擦による衣類へのダメージを減らして、やさしく洗うことができる
● 繊維の柔らかさ維持し、濃色繊維が色あせになるのを防ぎ、衣類を長持ちさせる
● 衣類の絡まりを防ぐことができる
● シワや型崩れ抑えて、襟のヨレヨレやニットの伸びなど、形状変化を防ぐことができる
● バスタオルやフリースなどの糸くずの他の衣類への付着を防ぐ
● 洗濯物同士が直接触れないため、色移りや色落ちするのを軽減できる。ただし色落ちを完全に防ぐことはできないので色落ちしやすい衣類は別洗いにする
洗濯ネットのデメリット
● やさしく洗うために、汚れ落ちが低下する。汚れや臭いが気になる物は洗濯ネットに入れずに洗濯しよう
● 洗濯ネットへの出し入れの手間がかかる
● 洗濯ネットに入れたまま乾燥機で乾燥させると、シワができたり、乾きムラができたりする
洗濯ネットに入れた方がよい物
すべての洗濯物を洗濯ネットに入れる必要はありません。以下の物を洗濯ネットに入れると効果的です。
● デリケート素材 | ニット・女性用下着・ストッキング・レギンスなど |
● シワや型崩れしやすい物 | シャツ・カットソー・パンツ・ジャケット・帽子など |
● 糸くずが出る物 | 新しいタオル・フリース・起毛素材など |
● 色落ちしやすい物 | 色の濃い物(デニム・Tシャツなど) |
● 絡まりやすい物 | 長袖シャツ・長ズボン・細長い形状の衣類 |
洗濯ネットに入れない方がよい物
靴下や汗が多く染み付いたシャツ、タオルなどの汚れや臭いが気になる物は洗浄力を高めるために洗濯ネットに入れずに洗いましょう。
また、ワイシャツなど白い衣類は、洗濯ネットに入れることで洗浄力が低下し、黒ずみやすくなることがあります。
本記事は『魔法の洗濯術』(コスミック出版)からの抜粋です
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クリーニング屋さんが教える「脱ドライ」の洗濯術
ダウン、フリース、セーター、フェイクレザー、スニーカー、スーツ、ワイシャツ、コート……これらの衣類などは全部、ご家庭の洗濯機で洗えるのです。直接肌にふれる衣類だからこそ、体にも自然にもお財布にもやさしい、水洗いのおうち洗濯がおすすめ。合成洗剤は使わない、サッパリした石けんの汚れ落ちや仕上がりは、魔法のように実感できるはず。洗濯のプロだから知っている洗濯の真実。白栄舎クリーニング代表・茂木孝夫さんが30年以上続けている講演会で参加者から寄せられた洗濯のお悩みとその回答を惜しみなくフィードバックします。
〈イラスト/吉田一裕〉
茂木孝夫(もぎ・たかお)
白栄舎クリーニング代表。30年前生協の「石けんと合成洗剤の違い」学習会をきっかけに石けんを使ったクリーニングに転換し、その後、書籍やテレビやラジオで紹介される。子が7人いて、第4子が重度のアトピー性皮膚炎だったため、洗剤や食品の安全性や環境問題に関心を持つようになる。生協や自治体を中心に「カラダにいい洗濯術」の講演を全国で150回以上行っている。著書に『家庭(うち)でできるカラダにいい洗濯術』(コスミック出版)。