• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。季節の変わり目の猫の体調不良について。

    猫にも人にもある、季節の変わり目の不調

    なんだか元気が出ない。うまく眠れない。食欲がわかない。何より精神的に落ち込んでしまう――。

    せっかく暑い夏が終わろうとしているのに、季節の変わり目には心身ともに不調があらわれがちですよね。

    そんなとき、すやすやと気持ちよさそうに眠る猫を見ていると、「のんきでいいなあ」なんて思ってしまいますが、実は、この時期、猫もバランスを崩しがちなんです。

    マイペースに思われがちな猫。そう見えて、夏から秋にかけての変化は、大きな負担に。いつもどおりに見えてもこんな不調が起こっている可能性があります。

    ・涼しくなって、水を飲まなくなってしまう

    ・換毛期で毛づくろいをし、毛玉から嘔吐が増える

    ・夏の暑さで弱った胃腸に負担がかかり、下痢などをする

    ・疲れが抜けきれず、元気がなくなってしまう

    ・高齢の猫は急な温度変化で、病気が発症することも

    ただ「よく寝るなあ」と思っている猫たちも、一生懸命、季節に馴染もうとしているのですね。

    画像: 猫にも人にもある、季節の変わり目の不調

    猫の不調を整えるためにできること4つ

    そこで、猫の不調を予防するためにできること。それを気にかけ、元気な季節の変わり目を過ごしてもらいたいものです。

    画像1: 猫の不調を整えるためにできること4つ

    ・快適な温度や湿度を心がける

    涼しくなったからといって急にエアコンをきるのも心配。暑い日は気を抜かず涼しくしてあげましょう。

    ・水分をたくさん取る

    健康維持のためには水は大事。水飲み場を増やしたり、少しぬるま湯にしたり、水を飲むことを習慣づけてもらいましょう。

    ・食欲不振なら食べやすいフードを

    もちろん体に良いドライフードは大切ですが、それでも食がすすまないときは、ウェットや好きなお菓子など、「食べたい」という気持ちを刺激するのも大切です。

    ・こまめなブラッシングを

    余分な被毛を取り除いてあげることで、毛づくろいによる毛玉からくる嘔吐や食欲不振を減らしてあげられます。

    そして、何より、一緒に夏の疲れをいやすこと。

    「涼しくなったから頑張って夏のぶんも取り返さなきゃ!」と無理をするのではなく、走り続けた分も、猫と一緒にごーろごろ。

    体だけでなく、心も包み込み、ストレスを撃退できる穏やかな季節の変わり目を過ごして、人も猫も「ごきげんさん」に長生きを目指したいですね。

    画像2: 猫の不調を整えるためにできること4つ

    画像3: 猫の不調を整えるためにできること4つ

    咲セリ(さき・せり)

    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

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