• 「健康は資産」と語る料理研究家の牛尾理恵さん。むだ遣いはしないけれど、できるだけ長く働けるように、健康にはお金をかけたいといいます。そんな牛尾さんの、心豊かに暮らすための「締めどころ」と「使いどころ」の家計のルールを聞きました。
    (『天然生活』2023年10月号掲載)

    健康は資産。食べるものや運動にはお金をかける

    「気に入ったものを長く使いたいので、買い物は慎重です」と語るのは、料理研究家の牛尾理恵さん。

    若いころから趣味が変わらず、インテリアは20代のころに購入したアンティークの李朝の棚をはじめ、20年、30年と愛用しているものばかり。

    本当に大切にできるものだけを買うようにしながらも、楽しみや健康にはお金をかけているそう。

    新たに移住という夢もできた牛尾さんに、心豊かに暮らすための「締めどころ」と「使いどころ」の家計のルールを聞きました。

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    前回のお話はこちら▼

    https://tennenseikatsu.jp/_ct/17724330

    牛尾理恵さんの「心豊かに暮らすための家計のルール」

    ルール01
    旬のものを、必要な分だけ。食費は、節約しない

    画像: まとめ買いはせず、つくりおきもしないが、食材が余りそうになったらざくざく切って保存袋に入れて冷凍。忙しいときに味噌汁の具に使えて、助かるそう

    まとめ買いはせず、つくりおきもしないが、食材が余りそうになったらざくざく切って保存袋に入れて冷凍。忙しいときに味噌汁の具に使えて、助かるそう

    食費は健康でいるための必要経費だから、節約は意識しないという牛尾さん。とはいえわざわざ高級な食材を取り寄せるといったことはしません。

    「食材は自分の生活圏内で納得のいくものを、その都度食べられる分だけ。以前は缶チューハイで晩酌していましたが、いまはそれもやめて、お酒は友人と楽しく過ごすときだけに。高タンパク、低脂質、野菜はたっぷりという食事が定番です」

    画像: 買いだめせずに、旬をいただく。朝ごはんはライ麦パンとコーヒー、昼食と晩ごはんは玄米に合わせて、良質なタンパク質と、旬の食材をしっかりと

    買いだめせずに、旬をいただく。朝ごはんはライ麦パンとコーヒー、昼食と晩ごはんは玄米に合わせて、良質なタンパク質と、旬の食材をしっかりと

    ルール02
    修理しながら、お手入れしながら。一生使えるものにお金を払う

    画像: 結婚したばかりのころ、夫と入った骨董品店で見つけた400年程前の李朝の家具。「高価な買い物でしたが、『一生使えるね』と夫と話して、奮発しました」

    結婚したばかりのころ、夫と入った骨董品店で見つけた400年程前の李朝の家具。「高価な買い物でしたが、『一生使えるね』と夫と話して、奮発しました」

    間に合わせで買うのではなく、長く愛用できると納得したものにお金を使いたい。そうして手に入れたものは、修理しながら、長く使いつづけます。

    「昔から好みが変わらず、高校時代に買ったベルトは革を交換し、穴の位置を変えながらいまも現役。李朝の棚と出合ったのは28歳で、我ながら渋いと思いますが、ようやく年齢に追いついてきました。適当なものを買わなくてよかったと思いますね」

    画像: イタリアを旅した20歳のときに購入した、「フェラガモ」のクロコダイルの鞄。より使いやすく、ショルダーバッグのハンドルを短くリメイクし、長く愛用

    イタリアを旅した20歳のときに購入した、「フェラガモ」のクロコダイルの鞄。より使いやすく、ショルダーバッグのハンドルを短くリメイクし、長く愛用

    画像: 祖母から譲り受けた指輪を、自分でデザインしてネックレスに。「おでかけ時に愛用しています」

    祖母から譲り受けた指輪を、自分でデザインしてネックレスに。「おでかけ時に愛用しています」

    ルール03
    元気な体が暮らしの資本。運動は自分への投資

    画像: 運動を始めたばかりのころは、ウェアでモチベーションを上げていた。音楽も大切な要素で「Apple Watch」が必需品。ビヨンセなど元気のいい曲をかける

    運動を始めたばかりのころは、ウェアでモチベーションを上げていた。音楽も大切な要素で「Apple Watch」が必需品。ビヨンセなど元気のいい曲をかける

    10年前はいまより10kg太っていたそう。このまま40代を迎えたくないな、と一念発起。食事と運動で8カ月かけて10kg落としました。

    いまでも週に4回のジム通いで、ランニングと筋トレを行い、月に2回はパーソナルでトレーニングをしています。

    「ジムもパーソナルトレーニングもお金がかかりますが、『健康は資産』。フリーランスで退職金があるわけでもないので、健康で長く働きつづけられるように、がんばっています」

    画像: コロナ渦に自宅でも筋トレできるように、10㎏のダンベルを購入した

    コロナ渦に自宅でも筋トレできるように、10㎏のダンベルを購入した

    ルール04
    将来の目標をカタチにし、お金の使い方を見直す

    画像: いま使っている李朝の家具は持っていき、服はもう少し減らして、バリアフリーがいいかな、などと具体的にイメージ

    いま使っている李朝の家具は持っていき、服はもう少し減らして、バリアフリーがいいかな、などと具体的にイメージ

    コロナ禍は暮らし方を見直すきっかけに。

    「いまは仕事があるので撮影スタジオも兼ねた広い家が必要ですが、ゆくゆくは小さく、よりコンパクトに暮らしたい」

    将来が見えてくると、ゼロから家を建てたら費用はこのくらいなど、お金のことも明確になり、もともとむだ遣いはしなかったけれど、より計画的に。なりゆき貯金から先取りの積み立て貯金に変え、貯蓄ペースも上がりました。

    画像: 段ボールで3日間かけてつくった理想の家。夫の本家がある伊豆・下田で、小さく暮らすことが夢

    段ボールで3日間かけてつくった理想の家。夫の本家がある伊豆・下田で、小さく暮らすことが夢

    ルール05
    整理整頓をきちんとしフードロス防止とストック管理

    画像: 牛尾さんのプライベート用冷蔵庫。最上段は早く食べたほうがいいもの、2段目は次に食べるもの、3・4段目は常備品と分けて収納している

    牛尾さんのプライベート用冷蔵庫。最上段は早く食べたほうがいいもの、2段目は次に食べるもの、3・4段目は常備品と分けて収納している

    実は料理よりも整理整頓や掃除のほうが好きだという牛尾さん。家中どこも、引き出しの中まできれいに片づいています。

    「収納棚も冷蔵庫も、基本は詰めすぎないこと。自由に使える余白を必ず残します。そうすると、急な収納にも対応できて、整理が楽だし、現状をきちんと把握できてむだな買い物がなくなります。結果、調味料と生活用品のストックも、持ちすぎることがなくなります」

    ルール06
    コーナー使いの明かりはソーラーライト「ソネングラス®」で

    画像: ミニチュアブルテリアのふくちゃんは、1歳4カ月のメス。トイレの置かれたケージに「ソネングラス®」をかけておき、いつでも明るくしている

    ミニチュアブルテリアのふくちゃんは、1歳4カ月のメス。トイレの置かれたケージに「ソネングラス®」をかけておき、いつでも明るくしている

    高騰が続く電気代は、太陽光で蓄電できるライトを使い、節約。

    「犬のトイレがある部屋は夜も明るいほうがいいのですが、電気をつけっぱなしはもったいない。『ソネングラス®』は手に持って移動できるため、寝ている間にのどが渇いてキッチンに水を飲みに行くときなどにも、電気をつけずに済みます」

    ほかにも、夏は冷房が効くようにカーテンを閉めるなど、できる範囲で節電中。


    〈撮影/林 紘輝 取材・文/長谷川未緒〉

    牛尾理恵(うしお・りえ)

    料理研究家、栄養士、フードコーディネーター。短大卒業後、栄養士として病院での食事指導を担当。その後、料理家の助手、料理専門の制作会社勤務を経て独立。忙しい人でもつくりやすくて体にやさしい家庭料理に定評がある。雑誌、テレビ等、各媒体で活躍。著書に『がんばらない3日間献立』(ワン・パブリッシング)など。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    天然生活2024年11月号の特集は「私流、お金をかけない楽しい暮らし」。

    野菜や保存食をつくったり、シェアしたり。

    支え合い、自然とともに営む暮らしからは真の豊かさとは何なのかが伝わってきます。

    俳優の財前直見さん、手づくり暮らし研究家の美濃羽まゆみさん、布作家の早川ユミさんに、周囲とつながりながら支え合う新しい暮らし方を取材しました。

    ぜひご覧いただけましたら幸いです。

    画像: 料理研究家・牛尾理恵さんの「心豊かに暮らす」ための家計のルール。“健康”で長く働きつづけるために

    天然生活 2024年11月号
    https://shop.tennenseikatsu.jp/items/91553830



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