(『天然生活』2023年7月号掲載)
本多さん流 ゆるやかに整える工夫1
楽に戻せる収納の仕組みをつくる
片づけてもまた散らかってしまうのは、使ったあとに戻せないから。がんばらなくても戻せる収納のヒントを教えてもらいました。
しゃがまないでしまえる位置に
シンクの上と下、背面も収納スペースになっているキッチン。食器は食洗機の上にある吊り戸棚と、シンク下の引き出しに。
「食洗機から出した食器をしゃがまず、振り向かずにしまえる場所がここ。よく使うものほど、出し入れ時のアクションを減らすようにします」
使う場所から2歩以内に収納
ソファの後ろに「山善」のすき間トローリーを置き、子どもたちのゲームやリモコン、プロジェクターなどを入れて。「ソファで使うものなので、0歩収納です」
以前は洗面所近くに置いていたピアスは、ちょい置きしがちなリビングの小引き出しを収納場所に変更した。
あちこちで使うものは複数置く
はさみやハンコなど、いろいろな場所で使うものは複数個持ち、使う場所ごとに置いている。ティッシュペーパーはリビングに3個も。
「使うときに歩かなくていいから楽なんです」
本多さん流 ゆるやかに整える工夫2
モヤモヤしたら点検をする
いつの間にか増えたものは、しまいづらさや使いづらさといったちょっとしたサインを感じたときが、見直しのタイミングです。
ストレスを感じたら減らす
収納場所が乱雑になってきたら、要チェック。
「使わないものや、本来の定位置とは違うものが紛れ込んでいることがあります。ストレスを感じたら全部出し、処分したり元の場所に戻したりして、リセットしています」
視界から外して不要かどうか見極める
使っていないものは、段ボールや専用の引き出しに入れ、かたまりごと見ないように。
「目につかない場所に置いて時間を空け、あとでジャッジするようにすれば、冷静に判断ができます。後悔しない手放し方もできるはず」
余白スペースはぎゅうぎゅうになったら見直す
玄関から入ってすぐの棚は、買ってきたものを仮置きしたり、収納場所が決まらないものを一時置きしたりするスペース。
「ぎちぎちになったら中を確認し、定位置にしまったり不用品を片づけたりして、すっきりさせます」
↓
不要なものはメルカリ用ボックスへ
見直して出た不用品のうち、需要がありそうなものはフリマアプリ用にまとめて。
「時間があるときに検索をかけてリサーチし、売れそうなものは出品します。子ども服なら季節を先取りするなど、タイミングも大切ですね」
本多さん流 ゆるやかに整える工夫3
家族の片づけ力に合わせる
家族みんなが片づけられる思いやりのある収納法で、すっきりをキープ。イライラ解消にもつながります。
夫の収納
置きやすい場所を定位置に
夫は以前、仕事着は椅子にかけ、かばんはその下に置きっぱなしだった。「クローゼットにしまうのはハードルが高かったので、ちょい置きする場所に吊るせるようにしました」
夫の収納
大容量の何でも入れを用意
玄関からリビングまでの間に、夫専用のかごを配置。「帰宅時、ポケットからいろいろと出すので大きいサイズに」
私の収納
一時置き場を設けて心にゆとりを
子どもの学校からの手紙や郵便物などは、カウンターに一時置き。「分類する時間がないとき、ここに置けるので楽」
子どもの収納
おもちゃや学習用品はワンアクションで戻せるように
子どもたちが自分で片づけられるように、有孔ボードや箱を収納道具に。「低い位置にかけるだけ、箱に投げ入れるだけなら、子どもでも簡単です」
〈撮影/山川修一 取材・文/長谷川未緒〉
本多さおり(ほんだ・さおり)
整理収納コンサルタント。楽に家事ができ、心地よく暮らせる家にする整理収納術に定評がある。新刊に『あるものを活かして愛着のある部屋に育てる』(大和書房)。夫と小学2年生、保育園年長の男児と家族4人暮らし。2019年に中古マンションを購入し、家族みんなが暮らしやすい家を目指しフルリノベーションした。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです