(『天然生活』2021年12月号掲載)
足元も室内も「守り」を固めて冬を楽しむ
北海道生まれながら、寒さは大の苦手。旭川で6年、小樽で10年の暮らしを経て数年前から札幌に戻り「新たな住まいで、一番暖かな冬が迎えられそうです」と笑うのは、テキスタイルデザイナーの岡理恵子さん。
北海道の都市部といえ、12月にもなればアスファルトは凍てつき雪が積もり、雪かきも必須になる札幌の厳しい冬。何より「けがなく過ごせるように」、まずは足元から準備を始めます。
「旭川で暮らしていたときのようなロングブーツの出番は減りましたが、冬はスノーシューやブーツが一番。雪国仕様ではない、気に入ったデザインのものを履きたいときは、靴の修理店などで滑り止めをソールに貼ってもらうのがこちらでは一般的なんです」
また、ふいの降雪の際にもあわてないように、車に雪かきのグッズを積んでおくことも忘れずに。
「うっかり忘れてしまうと大変なことになるので、ホームセンターの店先にショベルが並ぶようになったら早めに準備をします」
冬用の靴を用意
アスファルトが凍り、慣れていても滑る危険がある北海道の冬の道。靴はデザインよりもまず、実用性を第一に選んで準備します。
「それでもなるべくお気に入りのもので過ごしたいので、新しい靴を買ったら滑り止めのソールを貼ってもらうのが冬の恒例」
雪かきの道具を準備
厳冬期になれば、車を出すのにも雪かきが必須。
「うっかりして、車内に入れるのを忘れてしまうと大変なことになる」ため、早めに載せておき、雪の季節に備える。
「それでも冬の外出は、雪かきのために通常プラス10分かかります」
ミトン型と5本指の手袋
ニットでできた5本指手袋に、北海道で「ぼっこ手袋」と呼ばれている、ミトンの手袋を重ねてつけるのが岡さんの冬の定番。
「こうして二重にすることで暖かいだけでなく、指先が手袋の中で動かしやすくて機能的なんです」
<撮影/岡 理恵子 取材・文/玉木美企子>
岡 理恵子(おか・りえこ)
テキスタイルデザイナー。北海道生まれ、北海道東海大学大学院芸術工学研究科卒業。在学中にウィリアム・モリスの壁紙を木版で再現し、構成やつくり方を学ぶ。その技法を生かしながら、2008年より「点と線 模様製作所」としてオリジナルの模様やテキスタイルを制作・販売。http://www.tentosen.info/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです