(『天然生活』2021年12月号掲載)
冷気を入れない「守り」のしつらいに
室内では、窓から風も光もたっぷりと取り込んでいた春夏から、冷気を入れない「守り」のしつらいに切り替える冬じたくを。
「冷気はほとんどが窓から入ってくるので、12月にはカーテンを厚手のものにかけ替えます。私はとにかく寒さに敏感なので(笑)、床につくくらいの長いカーテンにして、部屋に冷気が入りづらくなるように工夫しています」
暖かく守られた部屋でお茶を飲みながら、窓の外の雪景色を眺める時間、そして3歳になる子どもと外に出て、雪遊びをするひと時。そのどちらも岡さんにとって、想像力を豊かにかきたててくれる、大切なものなのだとか。
「冬の北海道は、見るものすべての色彩が鮮やかに目の前に迫ってくるんです。気づけば私の作品は、『あの山、あの車、模様みたいだな』という、小さな物語の発見から生まれたものばかりに。創作と北海道の暮らしは、離れがたく結びついているものだと、冬がくるたびに感じています」
クッションカバーを替える
「11月ごろになると、触れてヒヤッとしないものを身近に置いておきたくなります」と岡さん。
さらりとした生地からニット素材に替えることで、目にも肌にも温かく。やわらかなクッションをおなかに置いて本を読んだり、子どものお昼寝枕にしたり。
カーテンを厚手のものに
暑さ、寒さの調節にカーテンはとても大切な存在。夏のリネンカーテンから一転、冬は厚手のものにかけ替え、窓からの寒さを遮断します。
「とくに冷気は下から入ってくるので、床を引きずらない程度に長いものをかけて室内の温度を守ります」
子どものためのそりを出す
保育園への送り迎えに、昨年から導入したのが「そり」。
「冬はベビーカーが使えないのでどうするか考えていたところ、ふと自分が子どものころにそりで買い物や保育園に行っていたことを思い出して。子どもも楽しいようなので、今年も使う予定です」
<撮影/岡 理恵子 取材・文/玉木美企子>
岡 理恵子(おか・りえこ)
テキスタイルデザイナー。北海道生まれ、北海道東海大学大学院芸術工学研究科卒業。在学中にウィリアム・モリスの壁紙を木版で再現し、構成やつくり方を学ぶ。その技法を生かしながら、2008年より「点と線 模様製作所」としてオリジナルの模様やテキスタイルを制作・販売。http://www.tentosen.info/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです