(『天然生活』2023年3月号掲載)
実作業だけでなく精神的にも楽になる「予防掃除」
掃除しやすい家にすることで、掃除へのネガティブなイメージが変わり、苦手意識も解消します。
たとえば、汚れを防ぎ掃除そのものをしなくてすませる「予防掃除」は、実作業だけでなく精神的にも掃除を楽にしてくれます。
掃除がしやすい家は、それにかける時間と労力を減らして、作業もどんどん単純に。考えることなく自然と体が動くので、掃除へのストレスもなくなります。
「今回、紹介しているのは、だれでもまねできるアイデアばかりなので、ぜひやってみてください」
汚れを予防するコツ1
窓の桟にはマスキングテープを
なかなか掃除をする機会がない窓の棧。ほこりや泥、虫などがたまりやすく、狭い場所だけに掃除の仕方も手間がかかります。それを解決するのが、マスキングテープを使った予防掃除。
ちょうど窓の棧と同じ幅のマスキングテープがあるので、棧に貼れば、半年に一度くらい交換するだけでOK。
マスキングテープの予防掃除は、トイレの便器と床の境目、コンロと調理台のすき間なども応用可。
浴室の入り口にある段差部分には、カビが生えないマスキングテープを使うと便利です。洗濯機のホースを食品用ラップで包んで、ホースの凹凸にほこりがたままるのを防ぐ方法も。
汚れを予防するコツ2
お風呂用品は吊るしておく
お風呂のぬめりやカビ対策に取り入れたいのが、吊るして収納する方法です。掃除道具や桶は、タオルバーなどに吊るして収納。椅子は浴槽のフチに掛けるなどして、床置きしないようにします。
最近増えているのが、マグネットを使った浴室の収納テクニック。最近の浴室の壁はマグネットが使えるものが多いので、ぜひチェックしてみましょう。
マグネットが使えたら、市販のマグネットフックが活用できるので、ぐんと収納方法が広がります。磁石が内蔵されたシャンプー容器なども発売されていて、フックなどを使わなくても、直接壁に貼り付けることができます。
汚れを予防するコツ3
冷蔵庫の上をラッピング
手が届かない高いところも、汚れない工夫をする予防掃除で解決します。
冷蔵庫の上は一度掃除をしてから食品用ラップを貼って、汚れたら取り替える方法で。上に放熱スペースがある場合は、そこを避けてラップを貼ります。事前に取り扱い説明書を読んで、放熱スペースの有無の確認を。
この方法は本棚など背の高い家具にも応用でき、新聞紙や大きな紙をほこりよけとして使うのもありです。
本棚の本のほこり対策には、クリアファイルや紙を本の上に載せる方法も。冷蔵庫の中は汚れやすいところに新聞紙やキッチンペーパーを敷いておくのもおすすめです。
汚れを予防するコツ4
ほこりがたまらない照明カバーを選ぶ
気づいたらうっすらとほこりがたまっている照明カバー。お客さまが入らないような、あまり使っていない部屋なら思い切ってカバーを外してしまいましょう。
また、ほこりがつきにくいカバーを選ぶという方法もあります。
「わが家では、上下が空いているタイプの照明カバーを使っています。これならほこりがカバーの上にたまることもありませんよ」
虫が入り込みやすいシーリングライトでは、LED電球に替えることで虫よけ対策にもなります。LEDには虫を寄せつけにくい効果があるので、ぜひ試してみてください。
〈監修/本間朝子 イラスト/カトウミナエ 取材・文/工藤千秋〉
本間朝子(ほんま・あさこ)
知的家事プロデューサー。自分自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案。テレビ・雑誌・ウェブ・講演などで提唱する。毎月、無料の「時短家事」セミナーを自主開催。著書に『60歳からの疲れない家事』(青春出版社)など多数。
http://honma-asako.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです