• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。猫のブラッシングについて。

    秋から冬へ。いよいよ猫の換毛期です

    季節が変わると、猫の毛も生え変わりの時期を迎えます。

    そこらじゅうが抜け毛だらけで掃除が大変だったり、猫が自分で舐めた毛で吐くことが増えてしまったり……。抜け毛の問題は猫と暮らすうえで、意外と深刻

    そこで、ブラッシングを習慣づけ、毛の生え代わりが猫にとって負担にならないものにできればいいなと思っています。

    という私も、 実はブラッシングをするようになったのは、つい数年前からのこと。

    今は亡くなってしまった高齢猫「ぴょん」が、自分で毛づくろいができなくなって、体中に毛のかたまりができてしまったのです。

    最初は「歳をとるとこんなものなのかな?」と思っていたのですが、あまりにカチカチに固まって、不健康そう。そこでなんとかしなければと、猫用のブラシを買うに至りました。

    嫌がるかな? と心配でしたが、さすが、猫のために開発された商品。ぴょんはむしろ嬉しそうにブラシで撫でられていました。がんこな毛玉もすうっと取れ、またツヤツヤの毛並みに。それからは、他の子たちも、ブラッシングをするようになりました。

    画像: 秋から冬へ。いよいよ猫の換毛期です

    猫の健康管理のために大切なブラッシング

    調べてみると、『猫はセルフグルーミングをする動物だからお手入れいらず』と勘違いしがちですが、猫にブラッシングはとても重要なのだとか。

    被毛を美しく保つだけでなく、健康管理にもなるのだそうです。

    また、抜け毛対策以外にも、皮膚を刺激して血行促進や新陳代謝を促したり、スキンシップを通じて体調変化の早期発見につながるといいます。

    特に長毛の猫ちゃんは、毎日してあげると良いそうです。

    とはいえ、突然のブラッシングは猫も意味が分からなくて怖がる子も。

    我が家は、苦手な子にはこんなふうに慣らしていきました。

    画像: 猫の健康管理のために大切なブラッシング

    ブラッシングが苦手な猫を慣らす方法

    ・ブラシを噛ませたり、じゃらしたりしながら、ブラシが怖いものではないと分かってもらう

    ・触られて喜ぶ場所からはじめてみる

    ・嫌がったらやめる

    ・全部をやろうとせず、その日できるところだけ、少しずつする

    今では、我が家の猫たちはみんなブラッシング好き。ブラシを出すとやってきて、順番待ちができるくらい。

    大好きな「エステタイム」になっています。

    いっぱい取れた毛は毛玉ボールにすると、猫たちにも人気。

    もちろん、飲みこんでしまわないよう注意が必要ですが、普通のおもちゃよりも遊ぶのが楽しいようです。

    少し寂しい話ですが、そうして毛を集めておくと、その子が亡くなったとき、その毛が慰めてくれるのも嬉しいことですね。


    画像: ブラッシングが苦手な猫を慣らす方法

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

    ブログ「ちいさなチカラ」



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