• YouTubeで愛知県・幸田町での田舎暮らしを発信する「TAKASU TILE」髙須亮佑さん。家づくり、畑仕事、日々の料理、家族との交流など、大切な人たちと過ごす日々には、小さな幸せや気づきが詰まっています。ライフスタイルエッセイ『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方』(誠文堂新光社)より、高須さんが尊敬するおばあちゃん“美江子さん”とのエピソードを紹介します。

    無邪気でアクティブ。美江子さんってこんな人

    美江子さんは御年88歳。朝は7時に起きてベッドの上で両手両足を上げてプルプルさせる体操をする。

    顔を洗い、NHKの朝ドラを見ながら朝食をとり、畑でひと仕事。昼になると、朝ドラの再放送を見ながら昼食をとる。

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    美江子さんは面食いなので、好きな俳優は山崎育三郎さん。亡くなった夫、悟さんのことを「私と違って顔がいい。よくもらってくれたなあ」と口にする。

    僕の顔を見ながら、「亮ちゃんは、わりかし私に似とるでなあ」と言いながら、「亮ちゃんがいちばんかわいい」と言う。「うん? ほめてる?」と思いながら、「ありがとう!」と返す。

    美江子さんは好奇心の塊だ。妻の由貴奈さんが歯医者に車で迎えに行ったときのこと。しきりに「あの子に話し掛けれんかったなあ」と悔やんでいたという。

    話を聞いてみると、待合室でピンク色の髪の毛をしたおしゃれな女の子がいて、いつ話し掛ければいいかなあと迷っていたら、その子が帰ってしまい、結局話し掛けられなかったそう。「あのとき話せばよかったなあ」と、未だに残念そうにしている。

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    87歳で運転免許証を返納するまでは、買い物、病院、友人宅と、どこでも1人で車を運転して出掛けていた。

    あるとき、新しいインド料理店ができたと話題にすると、「ああ、あそこ入ってみたよ」とさらっと言う。お店ができてすぐに行って食事をしたそうだ。

    そんなアクティブおばあちゃんなので、免許を返すと決まったときは寂しそうだった。最初は絶対に嫌だと言っていたが、時間をかけて家族みんなで説得し、最後は父のひと押しで観念した。

    免許を返納した今は、弟のよっちゃん(84歳)に車を出してもらい、よく一緒にカフェに行っている。

    美江子さんのおむすびと揚げもの

    画像: 優しく握られたおむすびは、口の中でふんわりとほどける

    優しく握られたおむすびは、口の中でふんわりとほどける

    小学校から帰るといつも食卓にはおむすびがあった。学校から家まで片道40分の道のりを歩いて、お腹をペコペコに空かせて帰ってきた僕にとってそれは何よりのごちそうだった。

    炊飯器に残ったごはんを無駄にしないように、また、家族がすぐに食べられるようにと、美江子さんが握ってくれていた。

    「おばあちゃんの料理で何がいちばん好き?」と聞かれたら、今も迷わず「おむすび」と答えている。

    画像1: 88歳「アクティブおばあちゃん」は好奇心の塊。田舎暮らしユーチューバー・TAKASU TILEさん“おばあちゃんのおむすびが何よりのごちそう"
    画像2: 88歳「アクティブおばあちゃん」は好奇心の塊。田舎暮らしユーチューバー・TAKASU TILEさん“おばあちゃんのおむすびが何よりのごちそう"
    画像3: 88歳「アクティブおばあちゃん」は好奇心の塊。田舎暮らしユーチューバー・TAKASU TILEさん“おばあちゃんのおむすびが何よりのごちそう"
    画像4: 88歳「アクティブおばあちゃん」は好奇心の塊。田舎暮らしユーチューバー・TAKASU TILEさん“おばあちゃんのおむすびが何よりのごちそう"

    手で握る代わりに、ときどき「おむすびマシーン」を使う美江子さん。その姿はマラカスを振りながら踊っているようで、いつも吹き出してしまう。

    美江子さんのおかずで好きなものといえば、揚げものだ。

    掘り立てのじゃがいもを使ったフライドポテトはつまみ食いが止まらないし、玉ねぎとにんじんのかき揚げは、サクサクの衣、シャキッとした玉ねぎ、歯ごたえのよいにんじんの組み合わせがたまらない。

    画像: 美江子さんのおむすびと揚げもの

    自分でもこんなかき揚げをつくりたいと思ってつくり方を聞くのだが、衣の具合も揚げ時間も「適当だよ」のひと言で済まされる。それならばと、隣で見せてもらうのだが、その通りにやってもなかなかうまくいかない。

    いつか美江子さんのようなかき揚げをつくるのが目標だ。

    画像: 美江子さんは、お客さんが来るとわかると必ずお赤飯を炊く。今度炊き方を教えてもらいたいな

    美江子さんは、お客さんが来るとわかると必ずお赤飯を炊く。今度炊き方を教えてもらいたいな

    本記事は『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方』(誠文堂新光社)からの抜粋です

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    『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方』(誠文堂新光社)

    『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方』(誠文堂新光社)|髙須亮佑 (著)

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    YouTubeで田舎暮らしを発信するTAKASU TILEのライフスタイルエッセイ
    季節とともに暮らし、日常の小さな喜びを大切にする。自分を満たし、家族や周りに幸せの輪を広げていく。小屋づくりから畑仕事、料理、日々のルーティン、おばあちゃんとの時間、大切な人たちとの交流まで、人気ユーチューバーTAKASU TILEさんの田舎暮らしの日常を綴りました。
    消防士時代、出会いから結婚、がんのこと、亡くなった兄のことなど、これまで動画では伝えてこなかった内容も盛りだくさん。暮らしを通じて自分をHAPPYにするためのヒントが見つかる1冊です。



    〈撮影/川原﨑宣喜 協力/Team TAKASU〉

    髙須亮佑(たかす・りょうすけ)
    映像作家・クリエイター。1994年生まれ。愛知県額田郡幸田町出身。消防士として8年働いたのち、映像作家として独立。現在は100年続く家業の瓦屋「高須製瓦」の屋号を引き継ぎ、ユーチューブチャンネル「TAKASUTILE」を運営している。田舎の風景、日々の暮らし、家族団らん、当たり前にある日常の尊い時間など、自身のライフスタイルに根差したコンテンツを発信している。
    YouTube:TAKASU TILE



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