(『天然生活』2020年4月号掲載)
長寿の象徴「亀」をモチーフにした、縁起物のわら細工
神話の里「宮崎県・日之影町」で、60年以上しめ縄とわら細工をつくり続けている「わら細工たくぼ」。
たくぼのわら細工は、鶴や亀、鳥など縁起のよいものをかたどっています。
本記事で紹介するのは、長寿の象徴「祝亀(いわいがめ)」。
一歩一歩あゆみを進めることから、「継続」の象徴としても親しまれています。
祝亀が出来上がるまでの工程を見せていただきました。
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前回のお話はこちら
長寿を願う「祝亀」のわら細工ができるまで
「わら細工たくぼ」の作業はみんなでつくる、分業制。順を追って見てみましょう。
輪っかを綯(な)うのは2代目・稔さん
1 霧吹きで水を吹き付けて準備したわらを両手で転がすように綯う。
2 足で支えながら、縄づくり。「足の指で挟むから、足袋をはいています」
3 わらでゴシゴシしごく。凸凹がなめらかになり、目の細いわら細工に。
4 太さの違うわらを、同じ円の大きさに仕上げるのが腕の見せどころ。
亀の甲羅は、3代目・陽一郎さん
5 わらを扇状に広げながらねじり、亀の甲羅部分を編み込んでいく。
6 亀の形を決める大事な作業。しっかり編んだら麻ひもで結ぶ。
7 足で踏んで形づくり。甲羅の丸みのある立体感をつくりだす。
8 4つの端を麻ひもでギュッと結び、亀の四つ足部分をつくる。
9 はさみで整える。わらで曲線を描くのは高度な技術が必要。床に置いてバランスを見る。
頭と組み立ては佐藤さん
10 両足の指で棒を固定。わらをきつくねじって、亀の頭部分をつくる。
11 2代目・稔さんがつくった輪っかに頭と甲羅を付けて組み立てる。
12 ここまでくると、亀とわかる姿に。甲羅の大きさに合わせて頭も調整。
亀の尻尾は山木さん
13 亀の尻尾づくり。準備した稲穂を、細い金棒を使って刺していく。
14 長い穂と短い穂を選別し、ふわっ仕上がるように刺すのがポイント。
15 祝亀の完成! 尻尾の稲が黒い、黒米バージョンもある。
〈撮影/森本菜穂子 取材・文/大野麻里〉
わら細工たくぼ
3代目の甲斐陽一郎さんを中心に、宮崎県の日之影町でしめ縄とわら細工をつくる。「たくぼ」とは、この地域で番地の代わりに家を指す屋号。甲斐家の場所は古くからたくぼと呼ばれており、そこから陽一郎さんが名づけたそう。
https://takubo753.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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天然生活オンラインショップでたくぼのわら細工を販売します。
毎年大変ご好評をいただいている、「わら細工たくぼ」の縁起物の飾りを天然生活オンラインショップで販売します。
3代目甲斐陽一郎さんの指揮のもと、宮崎県・高千穂郷で制作されるわら細工。
職人による美しい日本の文化と暮らしの道具で、幸せな1年をお過ごしください。
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