(『天然生活』2020年2月号掲載)
食材の組み合わせを工夫して、栄養を上手に摂取
「私自身、子どものころから貧血がひどくて朝礼のときに倒れてしまうような子だったんです。大人になってからも貧血で悩んできましたが、鉄分を多く含んだ食品だけをやたらと摂ればいいというものでもありません。タンパク質との組み合わせや、適度な量の炭水化物があってこそ、からだに上手に取り入れることができるのです」
といってもあまり難しく考えないでと今泉さん。
「当たり前のことだけれど食事を抜かずに3食きちんと食べることが基本。どうしても忙しくて卵がけごはんになってしまったら、のりやキムチを添えてもいい。1日を通してバランスがとれていれば構いません。昨日食べなかったものを今日食べると意識づけるのもいいですよ」
今回は、鉄を効果的に摂れる料理を教えてもらいました。
「材料やつくり方もシンプルなので、ぜひ、お試しを。おいしく食べることが一番大事ですね」
ビタミンCとの同時摂取が効果的な「鉄分」
女性にとくに不足しがちな鉄分。
レバーや赤身肉、魚介などを積極的に取り入れつつ、ビタミンCとタンパク質を同時に摂取しましょう。鉄が体内で吸収されやすくなります。
炒めものなどを食べる際にレモンをしぼるのもおすすめです。
玄米やライ麦に含まれるフィチン酸は鉄分の吸収を妨げるので摂りすぎに注意しましょう。
鉄分が豊富なおすすめ食材
● 魚介類
● 赤身肉
● 菜の花
● あさり
● 緑黄色野菜
鯛とあさりとかぶのトマト煮のつくり方
あさりは鉄分豊富な食材のひとつ。ビタミンCを含むかぶを合わせて。
材料(2人分)
● 鯛の切り身 | 2切れ(約170g) |
● あさり(殻付き) | 150~180g |
● 玉ねぎ | 1/2個 |
● かぶ | 1個 |
● トマト | 小2個(約200g) |
● にんにく(すりおろし) | 少々 |
● 酒 | 大さじ3 |
● 塩 | 小さじ1/4 |
● こしょう | 少々 |
● オリーブオイル | 大さじ1 |
つくり方
1 鯛は酒大さじ1をからめて水けをふき、塩、こしょうをふる。
2 玉ねぎは薄切り、かぶは葉を切って皮ごと1cm厚さのいちょう切りに、葉は1~2cm幅に切る。トマトは1cm角に切る。
3 フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎとにんにくを炒める。鯛、あさり、トマト、酒大さじ2を加えてふたをし、中弱火で3~4分、あさりの口が開くまで蒸し煮にする。
4 あさりを取り出し、2のかぶと、葉を順に加え、ふたをして3~4分蒸し煮する。あさりを戻し入れ、さっと温める。
〈料理/今泉久美 撮影/有賀 傑 スタイリング/阿部まゆこ 構成・文/結城 歩〉
今泉久美(いまいずみ・くみ)
料理研究家・栄養士。テレビ、雑誌、書籍等で栄養バランスのよい料理を提案するほか、女子栄養大学栄養クリニックで特別講師を務めている。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです