• エッセイストで空間デザイン・ディレクターの広瀬裕子さん。60歳を前に、歳を重ねるなかで出てくるさまざまな課題や考えなくてはいけないこと。たとえば住まいのこと、仕事のこと、⾝体のこと。ひとつひとつにしっかり向き合い、「心地いい」と感じる方へ舵を取る広瀬さんの毎日。そこから、60歳までにこうなりたい、という目標と取り組みを同世代や下の世代の方とシェアしていけたらと思っています。室内履きの選び方について。

    室内履きの悩み

    夏、室内でビーチサンダルを履くようになったのは、鎌倉で暮らしていた頃からだと記憶しています。所謂スリッパのような形のものは、夏は足先が蒸れてしまいます。元々、ビーチサンダルがすきということもあり、暑い季節は「部屋でもビーチサンダルでいいのでは? 」が、はじまりでした。

    足をさっと入れるだけの室内履きは、パタパタして歩きにくい時があります。慌てていると脱げてしまうことも。階段がある家に住んでいた時は、慎重に上り下りをしていましたが、それでも急いでいると脱げてしまうことがよくありました。

    画像: 室内で履いているビーチサンダルは、葉山・げんべいさんのもの。葉山で暮らしていた時からの愛用ビーチサンダル

    室内で履いているビーチサンダルは、葉山・げんべいさんのもの。葉山で暮らしていた時からの愛用ビーチサンダル

    でも、何か履いていないとフローリングの床はひんやりします。冷えは万病のもと。何かしら足元には、必要なのです。

    少し前までは「夏はビーチサンダル」「秋・冬・春は室内履き」とわけていました。年齢を重ね、住まいがコンパクトになったからでしょうか。室内履きが脱げないようにと、無意識に脚に力が入っていることに気がつきました。そんなことから、1年中ビーチサンダルにしてみようと思ったのです。暑い季節は素足で。それ以外の季節は、ビーチサンダル+5本指ソックスにしています。

    なかなか、いいです。安定感があります。ぬげることもありません。足の指も自由に動きます。ひとつ、気になるとしたら、見た目があまりすてきではないことでしょうか。

    画像: 5本指ソックスは、無印良品で購入。そのうち足袋にできたらと思っています。足袋は新富町・大野屋總本店さん

    5本指ソックスは、無印良品で購入。そのうち足袋にできたらと思っています。足袋は新富町・大野屋總本店さん

    転ばないためにできること

    50歳になるすこし前。わたしは左脚を骨折したことがあります。半月板損傷というものだったのですが、1ヶ月ほど、ギプス生活でした。当時は、その脚で車の運転もしていました。その時より、これからのほうが、キズの治りがよくないのは目に見えています。リハビリにも時間がかかるはずです。

    歳を重ねると、室内での転倒がケガの上位に挙げられます。少しの段差につまずく、転ぶなど、若い頃には考えられなかった理由からです。これからは、変化の時期。まずは「ケガをしないように」です。

    60歳のメモ

    1 歩きやすい室内履きについて考えてみる
    2 脚の健康について見直す
    3 脚の筋力を保てるよう運動など習慣にする
    4 室内で転倒しないように段差など気にかけておく
    5 寒い季節は足が冷えないようにする


    画像: 転ばないためにできること

    広瀬裕子(ひろせ・ゆうこ)
    エッセイスト、設計事務所岡昇平共同代表、other: 代表、空間デザイン・ディレクター。東京、葉山、鎌倉、香川を経て、2023年から再び東京在住。現在は設計事務所の共同代表としてホテルや店舗、レストランなどの空間設計のディレクションにも携わる。近著に『50歳からはじまる、新しい暮らし』『55歳、大人のまんなか』(PHP研究所)他多数。インスタグラム:@yukohirose19



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