• 穴があいてしまったけど着心地がよくて捨てられない。そんな洋服はありませんか? ほんのちょっとのアイデアと手仕事で、より愛着がわく一枚に生まれ変わります。今回は、ミスミノリコさんにニットの「穴」や「虫食い」のお直しを教わります。
    (『天然生活』2017年10月号掲載)

    ニットの穴にニードルパンチ加工

    専用の針で原毛を刺して圧縮することでフェルト化させるニードルパンチ加工は、初心者でも簡単で楽しい作業です。

    ニット全般の小さな穴や虫食いは、この方法だと手軽です。

    画像: before

    before

    こちらも友人からの依頼。腋の下の部分に小さい穴が。

    見えにくい部分だからこそ、繕いの腕の見せどころ。

    材料と道具

    ⚫︎ 原毛(羊毛)
    ⚫︎ 25番刺しゅう糸
    ⚫︎ ニードル(ニードルパンチ用の針・極細)
    ⚫︎ 刺しゅう針
    ⚫︎ スポンジ

    ニードルパンチ加工の仕方

     スポンジの上にニットをのせ、原毛を穴よりひとまわり大きくちぎってのせる。ニードルを垂直にサクサクと刺す。

    刺すうちに原毛と下のスポンジがくっついてしまうので、スポンジをずらしながら刺す。

    画像1: ニードルパンチ加工の仕方

     穴の周りを刺したら、はみ出した原毛を針先で中央に集め、さらにニードルを刺す。

    画像2: ニードルパンチ加工の仕方

     これを3~4回繰り返し、穴が透けなくなったら、でき上がり。穴の部分を少し引っ張ってみて、原毛とニットがしっかりつながっているか確認する。

    まだ穴がある場合は原毛を少しずつ足しながら同様に刺す。

    画像3: ニードルパンチ加工の仕方

     原毛とニットの輪郭を埋めるために、ニードルパンチ加工の周りにチェーンステッチを施す

    画像4: ニードルパンチ加工の仕方

    チェーンステッチの仕方

    イラストを参考に順番どおりに刺していく。

    画像: イラスト/ナガイマサミ

    イラスト/ナガイマサミ

    画像: after

    after

    ▶︎「靴下の穴」と「シャツの穴」をダーニングでお直しする方法

    ▶︎「カットソーのシミ」をステッチでお直しする方法



    <制作/ミスミノリコ 撮影/枦木 功 構成・文/結城 歩>

    ミスミノリコ(みすみ・のりこ)
    美大でデザインやテキスタイルを学んだのち、ウインドウディスプレイやスタイリングの仕事に携わる。手仕事や手づくりのワークショップなども行う。繕いのアイデアを一冊にまとめた著書『繕う暮らし』(主婦と生活社)を上梓。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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