• ほんのひとときでも、心と体をいやしてくれるお茶の時間。おいしいお菓子とともに、ほっとくつろげる安らぎのときを。今回は文筆家の桜井かおりさんに、心が整うお茶時間について伺いました。
    (『天然生活』2023年12月号)

    自分のことだからこそ大切に好きなものと落ち着く時間を

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    20年間営んだ「カフェロッタ」の幕を下ろしたあとも、執筆や海外買い付け、イベントの開催など、東京と金沢の二拠点でパワフルに活動している桜井かおりさん。

    「家の中にいるとどうしてもいろいろ気になってしまうでしょ。だから、家以外に居場所を持つことが大切だと思ったの」と桜井さん。

    友人の「アトリエを持ってみたら?」というひと言がきっかけで物件を探していたとき、金沢でカフェを営む長男・大和さんから「こっちで借りたら?」と提案されたといいます。

    アトリエがあるのは、昔からの商店街にあるビルの一室。「ロッタ」と同じくらい古く趣のあるその建物を訪れた際、ひと目で即決したといいます。

    当初は家を離れてゆっくりと執筆することが目的でしたが、友人から金沢のアトリエに興味を持たれることも多く、現在では月1、2回イベントを開催。

    「もともと金沢は“オフ時間”のつもりだったのだけど、お仕事をいただく機会が増えてきて、金沢が“オン”の時間になっているのかもしれないですね」と笑います。

    心が整う時間
    どんなに忙しくても、お茶の時間を設ける

    ある日の午後3時。仕事の手をいったん休め、パリへの買い付けで出合った紅茶と和菓子を味わいながら、ほっとひと息。

    画像: 「ウィリアム・モリス」の壁紙が貼られたアトリエの一室で、大好きな器とともにティータイム

    「ウィリアム・モリス」の壁紙が貼られたアトリエの一室で、大好きな器とともにティータイム

    「どんなに忙しいときも午後3時と5時には必ずお茶の時間をとるようにしています」と桜井さん。

    見た目にも美しく季節の移ろいを感じられる石川・金沢の老舗「吉はし」の和菓子は最近のお気に入りだとか。

    画像: 知人に紹介してもらった、金沢・東山にある予約制の老舗和菓子店「吉はし」の上生菓子。上から「千代見草」、「栗金団」

    知人に紹介してもらった、金沢・東山にある予約制の老舗和菓子店「吉はし」の上生菓子。上から「千代見草」、「栗金団」

    心が整う時間
    大好きな“アスティエ”をいつもそばに

    大好きな「アスティエ・ド・ヴィラット」のカップで紅茶を味わうのが幸せのひととき。

    画像: 「金沢では家事をしない」と決め、食器は最小限のものをそろえている。栃木・益子のお店「ペジテ」の棚を食器棚として使用し、「アスティエ」の食器をはじめ、お気に入りのものを厳選。上に並ぶのは「アスティエ」のお香やキャンドルなど

    「金沢では家事をしない」と決め、食器は最小限のものをそろえている。栃木・益子のお店「ペジテ」の棚を食器棚として使用し、「アスティエ」の食器をはじめ、お気に入りのものを厳選。上に並ぶのは「アスティエ」のお香やキャンドルなど

    「大切だから東京の自宅では飾って満足していたの。金沢で実際に使うようになり、よりいとおしくなりました。

    ひとりのときも、“自分のだからなんでもいいや”ということはなく、自分のことだからこそ好きなものにこだわりたいと思います」

    画像: パリの「コンセルバトワール・デ・ゼミスフェール」の紅茶と、ひとりで使うのにちょうどいいサイズ感の「アスティエ」のポット

    パリの「コンセルバトワール・デ・ゼミスフェール」の紅茶と、ひとりで使うのにちょうどいいサイズ感の「アスティエ」のポット

    画像: 木のトレイは「小具」のもの

    木のトレイは「小具」のもの

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    <撮影/中乃波木 取材・文/井上奈那>

    桜井かおり(さくらい・かおり)
    東京・松陰神社前で20年間営んだ「カフェロッタ」を2021年9月末に閉店。現在は東京と金沢に拠点を置き、文筆業や買い付け、イベント開催などを行う。天然生活webにて「桜井かおりの雑記帖」を連載中。著書に『マダム・ロッタとパリ行かない?』(旭屋出版)など。インスタグラム@kaorilotta

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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