(天然生活2022年2月号掲載)
きっと自分にもできる。その思いではじまった、ものづくり
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
これ、きっと自分でつくれる! そう思ったらやってみずにはいられない。毎朝5時半起床。家事をこなし、家族を送り出したら、出勤までが自分の時間。大好きなものづくりにあてます。
この日、身に着けていたパンツも、アクセサリーも、鈴木さんの手づくり。お似合いのエプロンは、破けたシーツのリメイクです。
「つくるのは、暮らしの中で使えるもの。飾っておくだけのものにはあまり惹かれなくて。自分でつくれば手ごろだし、好みの色やサイズにできる。店や本で見て、いいなと思うものをお手本にします」
長男が生まれてまもなく始めた竹編みは、10年目。りんごを入れたかごも、野菜を洗い上げたざるも、子どもと夫のお弁当箱も自分の手で編んだもの。どれも愛おしくなる佇まい。
「竹編みは、同好会に入れてもらって週に1度、手ほどきしてもらいながら編んでいます。周りは竹編み歴何十年の先輩ばかり、私はひよっこ。おしゃべりしながらみんなで編むんですけど、ふだん一緒にいる同世代とは話題が違って面白い。考えていること、見ているものが違います。
好きなものを通してなら、70代、80代の方とも仲間になれる。ひとりで手を動かすのも楽しいけれど、仲間と一緒もいいものです。子育てや仕事でうまく時間がつくれない時期もあるから、タイミングが合ってよかったです」
鈴木さんの新しい試み
あるものだけで乗り切る1週間チャレンジ!
買い物に行かず、あるもので1週間乗り切る。台所でそんなチャレンジをする鈴木さん。近所の八百屋「みどりなす」で近郊の野菜を、お肉は生活クラブで取り寄せ。
「フードロスを減らしたくて、いまあるものだけでどんなものが、どれくらいつくれるか、楽しみながらゲーム感覚でやっています。名前のない料理が多いので『今晩、なに?』って聞かれると困ります。家族には内緒のチャレンジです」
鈴木さんの新しい試み
エプロンをシーツで手づくり
成長に合わせて子どもの服もたくさんつくってきた、鈴木さん。日常的にソーイングを楽しんでいます。
颯爽と着こなすエプロンは、破れたシーツのリメイク。使える部分を縫い合わせ、肩ひもを通してでき上がり。小柄な体になじんで、とてもお似合いです。
「自分でつくれば、サイズもちょうどいい。余った生地をどう生かすか考えるのも楽しくて、これもちょっとゲーム感覚ですね」
鈴木さんの新しい試み
編んで、使って、喜びがずっと続く
ときどき通りがかる近所の竹工芸の店で、人が集まって竹編みしているのに気づき、思いきって訪ねて入れてもらったそう。
「初心者は私だけ、最初は断られたんですけど、一生懸命通ううち仲間になれました。先生は繊細な竹工芸をつくられているのだけど、私はこんなのを編みたいと伝えて手ほどきしてもらっています」
四つ目編みなど、シンプルな編み方でつくり日々の中で使っています。
〈撮影/石川奈都子 取材・文/宮下亜紀〉
鈴木 潤(すずき・じゅん)
子どもの本専門店「メリーゴーランド京都」店長。夫と息子ふたり、猫3匹と暮らす。著書『絵本といっしょにまっすぐまっすぐ』(アノニマ・スタジオ)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです