今の私にちょうどいい「地域ボランティア」との出会い
若い頃から興味をもっていた自然療法の学校に通ったり、趣味のアクセサリーづくりを楽しんだりと、友達は少ないながらも充実した毎日を過ごしていた50代。
ちょっと前なら、「PTA時代の〇〇さんがね」などとだれかしらの名前が出ていたのに、今の私の口からは自分や子どもたちの話題しか出てこない。
「私の世界って、なんて狭いんだろう」
この先もこのままでいいわけがない、家族以外との人間関係をもちたいと、切実に感じたのです。
そんなある日、窓の外からガサガサという音が。窓から眺めると、すぐ裏の公園で、落ち葉を集めたり、雑草を抜いたりしている数人の女性たちの姿が見えました。
次の瞬間、私は靴を履いて公園に向かって走っていました。
そして、公園の入り口に立ち、大声で叫んでいたのです。
「私も一緒にお掃除させてもらいたいんですけど、いいですか?」と。
掃除をしていたのは、地域ボランティアの皆さん。そのなかに、偶然にも昔親しくしていたママ友の姿があり、彼女のおかげもあって、なんとその場で入会が決まりました。
地域ボランティアの活動は、月に数回ほど。メンバーは、同じ地域に住んでいるものの、顔も名前も知らない方ばかりでした。
それでも会うたびに打ちとけてきて、たわいのないおしゃべりをしたり、「あそこのコーヒー屋さん、おいしいよ」などと、情報交換をしたり。
驚いたのは、だれも人と比べようとしないことです。皆同じ地域に住んでいますから、どんな家に住んでいるかも知っています。
だから無理にはり合う必要がないことを、自然に理解しているんでしょうね。
ここではだれもが自分を飾らず、素のまんま。相手を深く詮索することもありません。
このほどほどの距離感が今の私にはちょうどよく、とても心地よく感じています。
本記事は、『 64歳、やめて捨てたら手に入った、幸せな暮らし』(ライフ・著/扶桑社)からの抜粋です。
子育てが終わったら突然シニアが始まった!
子どもが巣立った後に残されたのは、モノがあふれた家と、真っ白なスケジュール帳。
ずっとなるのが怖かった60代が「いちばん幸せ!」に変わるまで
60代から発信を始め、人気YouTuberとなった「ライフさん」(64歳)。すてきなシニアライフを目指して、大型家具を捨てたり、バブル服を捨てプチプラ服に移行する姿とプロセスを紹介するYouTube「60歳からの幸せライフ」は、最高87万回再生の人気チャンネルに。 子育てで物の多い生活を強いられてきたライフさんが、大物や服捨てに目覚めた経緯と、おおざっぱな性格でもすっきりした家をキープする整理術を紹介。さらにYouTubeでもっとも反響があった、60歳を境に大きく変わった友人関係についても深堀りした1冊。
<撮影/山田耕司>
ライフ(らいふ)
1960年生まれ。元専業主婦のシニア・ユーチューバー。子育て終了後の60歳から「60代の暮らしって悪くないよ」をテーマにYouTube『60歳からの幸せライフ』にて発信を始める。シンプルな生活を基軸に︑ものや人間関係に執着しすぎず上手に手放す姿が人気で、最高で90万再生超えを記録。本作が初の著書となる。60代の夫との2人暮らし。
YouTube『60歳からの幸せライフ』https://www.youtube.com/@60歳からの幸せライフ
Instagram@happy_senior1960
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです