(『天然生活』2024年3月号掲載)
「森のスープ屋の夜」かずぅさんの
心と体をいやす、工夫
心と体をいやす、工夫
ランタンやキャンドルで夜時間を心静かに過ごす
かずぅさんが寝室として使う小屋には、電気がありません。
「“線”につながれていないので、すごくリセットしやすくなりました」
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キャンドルやランタンを部屋のあちこちに置き、夜はリラックスして過ごす。身につける服は上下どちらもクロモジで染めて、温かみのあるピンク色に
セルフマッサージをしたり、呼吸に意識を向けたり。自然と心が落ち着き、よく眠れます。
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ランタンは譲り受けたものがほとんど。窓辺に置いたり、吊り下げたり
「お客さまの夕食も小さな明かりで。五感を研ぎ澄ませて、食べることに集中してもらえる気がするんです」
心と体をいやす、工夫
体の不調を整える手づくりの薬酒
季節の恵みで仕込んだ薬酒をその日の気分や体調に合わせて楽しみます。
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クコの実とナツメの薬酒。飲みすぎないようにびんに移し、ちびちびと
「旬の素材の力をできるだけ引き出したいので、びんに入るだけ詰め込んで、玄米焼酎と甜菜糖をすき間に入れていく感じです」
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キッチンカウンターにずらり。右は春に摘んだクロモジの花の薬酒
のどにやさしいカリン、養生に適しているというビワ、半分に割って漬けるくるみは、頭の働きを活発にしてくれるそう。
心と体をいやす、工夫
一杯の白湯から一日を始める
朝起きたら、わき水を沸かした白湯をいただきます。
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浮かべるのは、クロモジの葉。栗の木をくりぬいたカップは、地元の作家のもの。「器も服も野菜も、顔が見える人がつくったものを日々使っています」
「白湯は一番好きな飲み物。体が目覚めて、呼吸が整いますね」
瞑想や軽いストレッチをして、心身を整え、一日をスタート。
「今年からお泊まりの方に、私たちと一緒に朝の習慣を体験するプランを提案しているんです。やってみてよかったらお家でも実践してもらえたら」
いやしのアイテム
森で集めたクロモジ
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クロモジは乾燥させて、葉っぱと枝に分けてストック。
「香りがよいので、枕元に置いておくだけでも心地いいんです」
眠りの前のビスケット
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「絵本で見ていいな」と思って、小びんに詰めたビスケットを寝室に置く。
「そこにあるだけで、心温まる存在です」
お気に入りの絵
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寝室にする小屋からイメージして、友人の画家が描いてくれた「ヒバリと話す聖フランシス」の絵。
「守り神のような絵です」
* * *
<撮影/村上伸明 構成・文/宮下亜紀>
かずぅ
鳥取県伯耆町の小さな森で、夫であるマスターと「森のスープ屋の夜」を営む。2016年にスープ屋として始まり、2019年、スープランチの営業を終え、1日1組の宿に。「お手当てのための宿」として、朝の瞑想など、自分たちの暮らしのなかで続けていることを取り込んだ宿泊プランも提案。http://cinemavalley.net、インスタグラム@soupyanoyoru
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです