• 料理研究家の松田美智子さんに、雛祭の料理にぴったりな「手まり寿司とはまぐりの潮汁」のつくり方を教えていただきました。ヒラメと小鯛を使った、見た目も味わいも違う2種類の手まり寿司と、はまぐりの旨味がたっぷり味わえる潮汁です。
    (『天然生活』2022年4月号掲載)

    雛祭の料理といえばお寿司!
    ころんとした形がかわいらしい「手まり寿司」

    画像: 雛祭の料理といえばお寿司! ころんとした形がかわいらしい「手まり寿司」

    京都の舞妓さんがひと口で食べられるようにと生まれた「手まり寿司」など、雛祭の料理といえば、お寿司が主役です。

    お寿司は時間をおいて味をならすことでおいしくなるため、前もって準備できるのもいいところです。

    私は素材の味を生かしたいので、寿司酢や具は甘さ控えめのすっきりした味にしていますが、お寿司には家庭や地方の味があります。それを大切にしていただければと思います」と松田美智子さん。

    「手まり寿司」のつくり方

    画像: 「手まり寿司」のつくり方

    ヒラメは黄身酢と白ごま入りの寿司めしを、小鯛は山椒の実入りの寿司めしを合わせ、見た目も味わいも違う2種類に仕上げました。

    材料(4人分)

    〈寿司めし〉
    ● 米2カップ
    A
    ・水1と1/2カップ
    ・酒大さじ2
    ・昆布3cm角1枚
    B
    ・米酢1/3カップ
    ・三温糖大さじ2
    ・塩小さじ1/2
    〈ヒラメの手まり寿司〉
    ● 白炒りごま大さじ1
    ● ヒラメの刺し身5mm厚さ20枚
    C
    ・卵黄3個分
    ・みりん大さじ1と1/2
    ・三温糖小さじ1
    ・米酢大さじ2と1/2
    ● 木の芽適宜
    〈小鯛の手まり寿司〉
    ● 山椒の実のしょうゆ漬け大さじ1
    ● 小鯛の笹漬け10切れ
    D
    ・米酢大さじ2
    ・しょうが汁小さじ1
    ● わさび(すりおろし)適量

    つくり方

     米をとぎ、10分浸水し、ざるにあげ、15分水切りする。を合わせて炊き、10分蒸らす。昆布を除き、ぬらした飯台に小山に盛り、よく混ぜたを回しかけ、うちわであおぎながら切るように合わせる。

     ヒラメの手まり寿司をつくる。寿司めしの半量に、白炒りごまを混ぜ、10個に軽く丸める。

     ヒラメの刺し身の両面に塩をして15分冷蔵庫でなじませる。

     小鍋にを合わせ、箸2膳を使って弱火で5分混ぜ、ねっとりした黄身酢にする。バットに広げる。

     ぬらしてしぼったふきんを広げ、の刺し身を2枚、背側が左右になるように置き、まんなかにの黄身酢を少量のせ、を1個のせ、茶巾にしぼり、しぼり終わりを押し上げる。ヒラメを上にして器に置き、手のひらでたたいて香味を立てた木の芽をあしらう。

    画像: しぼり終わりを押し上げると、きれいな丸い形に整い、座りがよい

    しぼり終わりを押し上げると、きれいな丸い形に整い、座りがよい

     小鯛の手まり寿司をつくる。寿司めしの残りの半量に、山椒の実のしょうゆ漬けを混ぜ、10個に軽く丸める。

     小鯛の笹漬けはにつけて10分おき、水けを押さえる。

     ヒラメと同じ要領で、ふきんに小鯛の笹漬けを、皮を下にして置き、を1個のせて茶巾にしぼる。できれば、2~3時間おくとなれておいしくなる。小鯛を上にして器に盛り、好みでわさびを添える。


    〈撮影/山田耕司 取材・文/野上郁子〉

    松田美智子(まつだ・みちこ)
    料理研究家。季節感と素材の味、風味を大切に、おしゃれでつくりやすい料理づくりを心掛ける。プライベートブランド「自在道具」も好評。近著に『普段もハレの日も作りたい、家族が喜ぶ おすし』(文化出版局)、『季節の仕事』(扶桑社)。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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