• むだを手放し“少し先”を見て暮らす。料理家・山戸ユカさんの自然にやさしい選択。今回は、山梨県北社市で地産地消を楽しむ、食の循環のお話を紹介します。
    (別冊天然生活『エコでやさしい暮らし2』より)

    “お金・利便性”より、“背景・環境への影響”を、選択の軸に

    山戸ユカさんは何かを手に取るとき“その先”に思いをはせます。

    「これは、私が手放すと決めたとき、どう処分されるんだろう?」

    そして目の前にいくつかの選択肢が示されたら、金額や利便性ではなく、それが生み出された背景と環境への影響を決定の軸にする。それを習慣にするだけで、暮らしは小さくとも確実に変わるのです。

    東京で生まれ育ち、料理家として活躍。夫婦ともにアウトドア好きとして知られる山戸さんは、2013年、自然豊かな山梨県北社市に移住しました。現在はこの地で、レストラン「DILL eat,life.」を営んでいます。

    「できる限り地元の旬の食材を使い、そしてそれらをむだなく使った料理をお出ししています。野菜は基本的に皮ごと食べ、半端に残ったものは組み合わせてスープにしますし、どうしても食べられない部分はコンポストへ入れます」

    地元の食材を選ぶのは、新鮮さはもとより、輸送にかかるむだなエネルギーをカットできるから。旬の野菜を選べば、温室にかかるエネルギーも必要ありません。

    「環境に負担のない方へ、エネルギーを使わず、ごみを出さない方へと考えを進めるようにしています。知り合いの農家さんには、『うちには規格外のものでもどんどん持ってきて』と頼んでいます」

    山戸さんにとっては、野菜のサイズがきちんとそろっているなんてこだわりこそが、むだなこと。自分に必要のないあれこれをどんどん省いたら、おのずと自然に寄り添うスタイルになっていました。

    山戸さんが育む、食の循環

    画像1: 山戸さんが育む、食の循環

    庭にはDIYのコンポストが。中に入っているのは落ち葉と土。混ぜると、発酵しているため湯気が上がる。

    画像2: 山戸さんが育む、食の循環

    届く野菜により、お店のメニューは少しずつ替わる。

    画像3: 山戸さんが育む、食の循環

    地元の有機農家から届いた、規格外のにんじん。

    画像4: 山戸さんが育む、食の循環

    いま力を入れているのは、アウトドアに携帯するトレイルフードの開発。若い農家がチャレンジしている無農薬のほうれんそうや規格外の野菜も買い取り、活用する。

    画像5: 山戸さんが育む、食の循環

    畑やコンポストに使う水は、雨水を利用することでエコに。

    〈撮影/小禄慎一郎 取材・文/福山雅美〉

    本記事は別冊天然生活『エコでやさしい暮らし2』からの抜粋です

    別冊天然生活『エコでやさしい暮らし2』

    別冊天然生活『エコでやさしい暮らし2』(扶桑社)

    『エコでやさしい暮らし2』(扶桑社)

    amazon.co.jp

    22人が暮らしの中で見つけたエコな工夫
    松場登美さん、ナンシー八須さん、マキさん、服部麻子さん、山戸ユカさん、たいら由以子さんなど、22人の方々が暮らしの中で見つけたエコな工夫。「自分にとって気持ちがいい」を選ぶことが、エコにつながっているようです。サステナブルな道具と雑貨、水を汚さない新しい習慣についても伺いました。ワタナベマキさん「野菜を丸ごと使い切るレシピ」、島本美由紀さん「台所から減らす『食品ロス』24のヒント」、和田由貴さん「光熱費の見直し方」など、ハウツーページも満載。自分のペースでできることから「自分と地球にやさしい暮らし」を始めてみませんか?



    ※ 記事中の情報は『天然生活』2023年6月号掲載時のものです

    山戸ユカ(やまと・ゆか)
    料理家。自然を受する両親のもとで生まれ育つ。東京で料理家として活動したのち、山梨県北杜市へ移住。八ヶ岳の山麓で、レストラン「DILL eat,life.」を夫の浩介さんとともに営む。添加物を使わないトレイルフードブランド「The Small Twist Trailfoods」も好評。インスタグラムでも環境について発信。
    インスタグラム:@yukayamato
    https://dilleatlife.com/



    This article is a sponsored article by
    ''.