• 深く美しいレッドカラーと、上品な光沢。そして華やかな香りで魅了するフルーツ「いちご」。春に旬を迎えるいちごは、ジャムなどの保存食にしても長く楽しめます。そんな保存食づくりに欠かせないのが、氷砂糖。氷砂糖は純度が高いため、フルーツの風味を引き出しながらクリアな仕上がりになります。今回は、料理家の野口真紀さんに、春を感じるいちごジャムのつくり方を教えてもらいました。

    透明感と輝きのある「いちごジャム」の秘訣は、氷砂糖で煮ること

    画像: 透明感と輝きのある「いちごジャム」の秘訣は、氷砂糖で煮ること

    「春先に小粒のいちごが出回ると、ジャムをつくりたくなるんです。価格も落ち着くので、いちごをたっぷり用意してジャムを煮るのが春の恒例行事になっています」と野口真紀さんは語ります。

    野口さんのレシピは、10年以上前に書籍の仕事でいちご農家を訪ね、そこで教わったつくり方をベースにしているそうです。

    そして、今回のレシピのキーとなるのが氷砂糖。氷砂糖というと果実酒やシロップづくりに使うイメージがありますが、ジャムづくりに使ってもメリットがたくさんあります。

    「使用する砂糖を氷砂糖にすると、いちごの味と香りがストレートに感じられますね。仕上がりににごりがなく、輝きのあるきれいなジャムになります」

    野口さんがつくるいちごジャムは、いちごの風味や食感を生かした、さらさらとした仕上がり。

    「わが家ではジャムを煮詰めすぎずに仕上げて『コンポート』くらいのとろみにするのが気に入っています。さらっとしているけれど、甘さはしっかりめ。パンやパンケーキにしみ込ませたり、ヨーグルトのソースにしたり、今回のアレンジレシピのように魚やお肉料理に添えたり。使い勝手がいいので、おすすめです」

    氷砂糖を使った
    いちごジャムのつくり方

    画像: 氷砂糖を使った いちごジャムのつくり方

    短時間で火入れして、果肉の食感を残したいちごジャム。すっきりした甘さの中に、いちごの酸味と濃厚な香りが混ざり合い、種のプチプチ感も心地よいアクセントになっています。

    通常のジャムづくりでは果実に砂糖をかけて、水分が出てから煮始めますが、氷砂糖ならその手間は不要。材料を鍋に入れてすぐに火にかけられるため、手軽につくれることも魅力です。

    「材料はいちごとレモン汁、氷砂糖だけ。手づくりすれば、無添加だから安心ですよね。気をつけるのは、最初は弱火で、こげないようにじわじわと火を入れること。そして加熱時間を守ること。煮すぎるといちごの実が崩れて、果肉感がなくなってしまいます」

    ジャムの調理中は部屋中にいちごの甘い香りが漂い、幸福な気分に。鍋の中で少しずつ氷砂糖が溶けて、液体が赤くなっていく様子を眺めるのも楽しいひとときです。

    材料(つくりやすい分量)

    画像: 材料(つくりやすい分量)
    ● いちご(小粒)2パック(約500g)
    ● 氷砂糖約350g
    ● レモン汁1/2個分

    基本の分量 10:7(いちご:氷砂糖)

    ※いちごの重量に対して氷砂糖70%

    下準備

    保存びんを煮沸消毒またはアルコール消毒する。

    つくり方

     いちごはヘタを包丁で切り落とす。大きいものは半分に切る。

    画像1: つくり方

     鍋にいちごと氷砂糖を交互に入れ、ふたをして弱火にかける。

    画像2: つくり方

     水分が出てきたら中火にして煮詰めていく。氷砂糖が溶けてアクが出てきたら取り除く。

    画像3: つくり方

     にレモン汁を加えて、さらに10分ほど煮る。火を止め、熱いうちに消毒した保存びんに入れる。

    画像4: つくり方

    野口さんのひと工夫

    ●より濃度の高いジャムをつくりたい場合は、果肉を取り出して煮汁をさらに煮詰め、好みのとろみにするとよい。

    ※保存期間:冷蔵庫で約2週間保存可能

    氷砂糖を使ったアレンジレシピ①
    鯛とひじきのカルパッチョ いちごジャム添えのつくり方

    画像: 氷砂糖を使ったアレンジレシピ① 鯛とひじきのカルパッチョ いちごジャム添えのつくり方

    春に旬を迎えるいちごと鯛が主役の前菜。鯛の刺身に薬味が香るひじきのドレッシングを添え、いちごジャムでアクセントをつけています。

    繊細な味わいの鯛に、甘酸っぱいいちごジャム、さらにひじきの海の香りが重なって、意外性のあるおいしさです。

    材料(4人分)

    ● 鯛(刺身用)1さく
    ● いちごジャム適量
    《ひじきドレッシング》
    ● 乾燥ひじき1袋(15g)
    ● A
    ・みょうが(みじん切り)2片
    ・にんにく(みじん切り)1片
    ・しょうゆ大さじ1
    ・酢大さじ2
    ・オリーブオイル大さじ3
    ・塩、こしょう各適量
    ● 塩、オリーブオイル、ディル各適量

    つくり方

     鯛は薄切りにして皿に並べ、冷蔵庫で皿ごと冷やす。

     ひじきは水で戻してざるにあげ、熱湯でさっとゆでる。水気を切り、冷蔵庫で冷やす。

     ボウルにAを入れて混ぜ、を加えて混ぜ合わせる。食べる直前まで冷蔵庫で冷やす。

    画像5: つくり方

     の鯛に軽く塩をふり、オリーブオイルをまわしかける。皿の中央にひじきドレッシングを盛り、鯛の上にいちごジャムをのせ、ディルの葉を散らす。

    氷砂糖を使ったアレンジレシピ②
    ハーブローストポーク いちごジャム添えのつくり方

    画像: 氷砂糖を使ったアレンジレシピ② ハーブローストポーク いちごジャム添えのつくり方

    いちごジャムの酸味と香りは、豚肉料理とも好相性。ハーブが香るローストポークに、ソース代わりにいちごジャムを添えれば、鮮やかなカラーもあいまって華やかな食卓に。

    家族の記念日や来客時のちょっとしたごちそうにもぴったりです。

    材料(4人分)

    ● 豚肩ロース肉500g
    ● いちごジャム適量
    ● A
    ・塩大さじ1/2
    ・タイム(生)5枝
    ・こしょう適量
    ・オリーブオイル大さじ2
    ・にんにく(薄切り)2かけ
    ● 赤かぶ3個
    ● ズッキーニ2本
    ● オリーブオイル適量
    ● フレンチマスタード適宜

    つくり方

     豚肉は表面の水分をふき取り、ビニール袋に入れる。Aの材料を加え、肉によくもみ込む。冷蔵庫でひと晩おいて、味をなじませる。

     かぶは皮付きのまま、くし形切りにする。ズッキーニは長さを半分にして縦4等分にする。

    画像6: つくり方

     天板にオーブンシートを敷いて、をのせる。野菜の上にオリーブオイルをまわしかける。180℃に予熱したオーブンで40分ほど焼く。焼き上がったらオーブンの中で10分ほど休ませる。ローストポークを好みの厚さに切り、野菜とともに器に盛り、いちごジャムとマスタードを添える。

    画像7: つくり方

    野口真紀(のぐち・まき)
    料理雑誌の編集者を経て料理研究家に。美しくておしゃれなおつまみから、じんわりおいしい日々のおかずまで、ジャンルを問わずマルチに活躍。2児の子育てを通して生まれた、つくりやすいレシピに定評がある。『ストウブで一肉一菜:2つのメイン食材でここまでおいしい! 組み合わせを楽しむ肉×野菜のコンビレシピ』(誠文堂新光社)など著書多数。

    もっと氷砂糖のレシピを知りたい人は

    全日本氷糖工業組合 | 旬の果実でおいしく楽しい氷砂糖

    画像: 氷砂糖で簡単! 春を感じる「いちごジャム」のつくり方と、2つのアレンジレシピ。果肉を残してフレッシュに|氷砂糖で楽しむ家仕事/野口真紀さん

    氷砂糖でくらしをもっとカラフルに。梅酒づくりでおなじみの氷砂糖は、じつは梅以外の果実とも相性Good。色とりどりのフルーツを使って手づくりを楽しめる氷砂糖の世界、あなたものぞいてみませんか。

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    協力/全日本氷糖工業組合
    http://www.hyoutou-kumiai.jp/tezukurilife/

    〈料理/野口真紀 撮影/林 紘輝 取材・文/河合知子〉

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