(『天然生活』2019年11月号掲載)
掃除を始める前に
重曹とアルカリ電解水の性質と効果的な使い方を知ろう
重曹
「重炭酸曹達(ソーダ)」の略称。炭酸水素ナトリウム。弱アルカリ性を示す。
レンジまわりなどの油汚れを溶かしますが、その力は弱め。
粒子が細かく、水に溶けにくい性質を持ち、こげなどに直接振りかけてこすれば、研磨剤としても活躍。
「工業用があれば十分ですが、口にするものを扱う部分には食用を選んでも」
重曹の性質:弱アルカリ性
重曹が効果を発揮する汚れ:酸性の汚れ
アルカリ電解水
水に電気を流して分解し、アルカリ性の部分だけを用いたもの。
2度ぶきの必要がなく、市販品もスプレー型が多く、手軽。
「たしかに“水”ですが、液性は石けんよりも強いアルカリ性で、注意が必要。皮膚が弱い人は、手袋をはめるなど対策を」
アルカリ電解水の性質:アルカリ性
アルカリ電解水が効果を発揮する汚れ:酸性の汚れ
〈こんな汚れに効果的〉
- 油汚れ
- 手あか
- 皮脂汚れ
- 生ごみ臭
- 腐敗臭(食べ物のカス)

重曹とアルカリ電解水で
魚焼きグリルの掃除法
油汚れが気になるものの、洗剤を使うのは難しい魚焼きグリルのような場所には、スプレー型が多いアルカリ電解水が重宝します。
〈用意するもの〉
- 重曹 1カップ
- アルカリ電解水
- 40℃前後の湯
- 古歯ブラシなどのこすり落とせるもの
- マイクロファイバークロスなどのふき取れるもの
1 グリルの受け皿と焼き網の場合、シンクに40℃前後の湯を張り、重曹1カップを溶かした中に、30分ほどつけ置きする。
2 その後取り出して、古歯ブラシなどでこすり、すすぐ。
3 がんこな油汚れがついた庫内は、全体にアルカリ電解水をスプレーし、ゆるんだ汚れをマイクロファイバークロスでよくふき取る。
4 コンロやグリルのつまみも同様に掃除する。

〈監修/藤原千秋 取材・文/秋山香織 イラスト/にしごりるみ〉
藤原千秋(ふじわら・ちあき)
All About「家事・掃除・住宅」ガイド。住まいまわりの記事の執筆などで活躍。3児の母。共同監修『人生が整う家事の習慣』(西東社)などがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです