• 暮らしのなかで大切な部分を担う台所。「もう少しこうだったら……」と少々の不便を感じている人も多いはず。暮らしながら自分らしく使いやすい台所をつくってきた革作家・曽田京子さんに、DIYのヒントを伺いました。
    (『天然生活』2019年11月号掲載)

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    自分たちが本当に望むキッチンを目指して

    「オリジナルの暮らしがしたいと思って、いまの家を自分たちの手でつくってきました」と語るのは、革作家の曽田京子さんです。

    靴作家の曽田耕さんと、3人のお子さんの、アトリエ兼住居となる現在の住まいに暮らすこと14年。実はこの建物、もとは溶接工場でした。

    「天窓があって明るく、ガス、給水、排水の設備が整っていた3階を台所に決めて、まず、段ボールを使って原寸大の仮キッチンをつくるところからスタートしました」(京子さん)

    画像: 作業スペースを大きくとった台所。「娘が小さかったころに、一緒に料理したいなと思って広くしてもらいました」。家族が増えるにつれて大きくなった調理道具用に、収納場所も追加

    作業スペースを大きくとった台所。「娘が小さかったころに、一緒に料理したいなと思って広くしてもらいました」。家族が増えるにつれて大きくなった調理道具用に、収納場所も追加

    工場に残されていた資材や、解体で出た木材、ときには梱包材なども活用して、DIYした台所。

    オリジナリティもさることながら、京子さんの身長に合わせた低めの作業台や、すべてワンアクションで手に取れるオープンラック収納など、機能性も抜群です。

    「新婚当時はシステムキッチンにあこがれもありましたけれど、市販のものでは、ここまで自分にぴったりのキッチンはできなかったかもしれません」(京子さん)

    画像: 自分たちが本当に望むキッチンを目指して

    鉄とゴムという洗いかごの素材のバランスや、アンティーク調に加工されたシンクなど、隅々まで高い美意識が感じられるところにも、らしさが表れています。

    「どこかで見たものをつくろうとするんじゃなくて、自分たちが本当に望むものを目指してつくることが大切だと思います」(耕さん)



    〈撮影/小禄慎一郎 取材・文/長谷川未緒〉

    曽田京子(そだ・きょうこ)
    革作家。靴メーカーで働いているときに、靴作家の耕さんと出会い結婚。高校2年の長女、小学6年、4年の長男、次男と5人暮らし。革を用いた作品を発表している。



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