▼かえる食堂・松本朱希子さんの愛用道具はこちら
京都で出合えた「これ!」と思えるまな板
松本さんがまだ京都に住んでいた20代のころ、なかなか「これ!」というまな板に出合えずにいたそうです。
そんなときに尊敬する人から紹介されたのが、京都の老舗包丁店・有次(ありつぐ)の「イチョウまな板 ミニ」でした。
「職人さんがつくった道具を見るだけで刺激になるので、お店にはよく行っていたんです。でもお値段的に気軽に買えるものではなくて。教えてもらったこのまな板は、手が届く価格ということもあり購入しました」

コンパクトな台所でも扱いやすい27×16cmの大きさ。3,300円(税込)
サイズ・厚み・刃あたりすべてがお気に入り
実際に使い始めると「刃あたりのよさと、3cmある厚みの安心感で手放せなくなりました。出し入れがしやすい27×16cmのサイズ感も気に入っています」と松本さん。
使う前に表面をさっと水に濡らすことと、使い終わって洗ったら、すぐ水切り棚に立てて乾かすことが長く付き合うためのお手入れのポイント。
「乾きが速いところも使いやすいです」

乾いたら、いつでも手に取れるように調理台の端に立てかけておく
2代目となり、野菜切り専用として大活躍
いま使っているまな板は、実は同じものを買い替えた2代目だそう。
「初代は肉や魚、野菜となんにでも使っていました。熱湯をかけて消毒したことも。でもだんだんと黒ずんでしまって」
お願いして削ってもらいながら使っていましたが、10年ほど経った頃に2代目を迎えました。
「いまは野菜専用にして、匂いの強いものは別のまな板の上で切っています。毎日に使うものなので、気を遣いすぎることはしないけれど、なるべく長くお付き合いできる心配りをしています」
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天然生活2025年5月号では、本記事で愛用する台所道具を教えてくれたかえる食堂・松本朱希子さんの、愛おしくてちょうどいい「小さな台所」を紹介しています。ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈撮影/星 亘 取材・文/飯作紫乃〉

松本朱希子(まつもと・あきこ)
料理家。「かえる食堂」主宰。季節に寄り添った料理を雑誌や書籍で提案している。夫と娘と3人暮らし。著書に『かえる食堂のお弁当』(筑摩書房)など。