小さな台所でも使いやすいコンパクトさ
基本的に「しまう収納」ですっきりとした松本さんの台所。
そんななか、コンロ横の目立つ場所が定位置となっているのが、京都の金網細工店・辻和金網(つじわかなあみ)のせいろです。
「直径15cmのこのせいろ。コンパクトなサイズなので、いつでもすぐに取り出せる場所に置いています。使い勝手がよいうえに見た目もいいので、見えるところに置きたくなるんです」

水切り棚の上に置いておけば、さっと取り出せて使いやすい
切った野菜や点心、大きめの蒸しパンも
そして、松本さんがせいろとセットで愛用しているのが、同じく辻和金網の寸胴鍋です。
「一番多く蒸すのはカットした野菜です。ポテトサラダ用に半分に切ったじゃがいもとにんじんに塩をふって蒸したり。あとは点心、そしてクッキングシートを敷いて大きめの蒸しパンをつくることもあります」
コンパクトなサイズでも2段あるので、想像以上の量が蒸せると言います。


お手入れはたわしでさっと汚れを落として
せいろと長く付き合うコツはやはりお手入れ。とはいえ、特別なことはしていないそう。
「脂が出るものにあまり使わないので、汚れを簡単にささっとたわしで落として、水で流しています。あとはしっかりと乾かすようにして、通気性のよいところに置いています」
10年前に買い替えて現在は2代目。
「随分長く使い込んだけれど、しっかりしたつくりだからもう少し使えると思います。でも、もし使えなくなっても、また同じものを買いたいと思っています」

しっかりお手入れをして大切に扱うことも、長く使い続けられる秘訣
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天然生活2025年5月号では、本記事で愛用道具を教えてくれたかえる食堂・松本朱希子さんの、愛おしくてちょうどいい「小さな台所」を紹介しています。ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈撮影/星 亘 取材・文/飯作紫乃〉

松本朱希子(まつもと・あきこ)
料理家。「かえる食堂」主宰。季節に寄り添った料理を雑誌や書籍で提案している。夫と娘と3人暮らし。著書に『かえる食堂のお弁当』(筑摩書房)など。