(『天然生活』2023年4月号掲載)
体が重いと感じたら、野菜の力でデトックス
長野・安曇野の森の中にあるリトリート施設「穂高養生園」で、体にやさしい料理をつくられている鈴木愛さんに、心身ともにデトックスする料理を教えていただきました。
「春の野菜のなかで、デトックス効果がとても高いのは、“たけのこ”です。体にたまった余分な水分と、毒素や老廃物などを排出してくれます」
ぐんぐん伸びて、竹へと成長していくエネルギーがぎゅっと詰まっているからこそ、その効果も抜群です。ただし、食べすぎには注意が必要とのこと。
「体の熱を冷ます作用があるため、旬の季節に少量いただくことを心がけたり、体を温める効果のある食材と組み合わせていただきましょう」

春のデトックス料理
たけのこの中華スープのつくり方
デトックス効果の高いたけのこと、きのこたっぷりの中華スープ。
黒酢をほんのり効かせて、酸味で体を元気にしてくれます。

材料(2~3人分)
● たけのこ(ゆでたもの) | 70g |
● 干ししいたけ | 2枚 |
● ひらたけ | 50g |
● 長ねぎ | 10cm分 |
● しょうが(薄切り) | 1枚 |
● 塩 | 小さじ1/3 |
● 薄口しょうゆ | 小さじ2 |
● 黒酢 | 小さじ1/2 |
● ごま油 | 少々 |
● 黒こしょう | 少々 |
つくり方
1 干ししいたけは水3カップ(分量外)につけてもどしておく。もどした干ししいたけは薄切りに、たけのこは約8mm厚さのくし形切りに、長ねぎは斜め薄切りにする。ひらたけは食べやすい大きさに手で裂く。
2 鍋に1の干ししいたけとしいたけのもどし汁、たけのこ、ひらたけ、長ねぎの半量、しょうが、塩を入れ、ふたをして弱めの中火で煮る。火がとおったら一度火を止めて10分ほどおく(少しおくとスープのうま味が落ち着く)。
3 2の鍋を再び火にかけて、残りの長ねぎ、薄口しょうゆ、黒酢、少量のごま油を加え、器に注ぎ、黒こしょうをふる。
〈デトックスのポイント〉
● たけのこは便通をよくし、利尿作用もあり、デトックス効果が抜群。
● 一方で体の熱を冷ます作用が強く、食べすぎると体を冷やすので、温める食材の長ねぎやしょうがと合わせました。
● 長ねぎは、動物性タンパク質や脂肪を分解・消化し、干ししいたけも余分な脂肪分やコレステロールを分解して血液の酸化を解消する作用が。
● うま味の奥行きを出すために、ひらたけを加えました。
〈料理/鈴木 愛 撮影/林 紘輝 スタイリング/久保原惠理〉
鈴木 愛(すずき・あい)
1980年生まれ、東京都出身。自然食のレストランや和食店で調理を学ぶ。2010年から、リトリート施設「穂高養生園」に勤務。著書に『なんとなく不調をととのえるスープ』、『穂高養生園が考える やさしいおやつ』(ともに世界文化社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです