(『天然生活』2024年5月号掲載)
環境や年齢の変化とともに朝の変化も楽しむ
手際よく、流れるように過ぎていく德田さんの朝時間。
ただし朝食の時間は夫の裕二さんとのんびりと過ごすことを心がけています。
「食べる量も多くないので、パッとすましてしまえば10分ほどで終わってしまう。でも食事は時間をかけたほうが、健康にもよいですよね。その点、ここで庭を眺めながらだと『あの鳥がまた来たね』『こっちの枝は少し切ったほうがいいかも』なんて、会話もしながらゆっくりできるんです。テラスでの朝食にはいつも新鮮な楽しさがあります」

春色のクロスと朝食の定番・季節の野菜たっぷりの小鉢
環境の変化、年齢の変化に寄り添いながら、少しずつ定まってきた朝の習慣。
だからこそ「日々のベースはガラリと変えずに、挑戦は少しずつが一番。洋服と同じね」と德田さん。
「たとえば朝食のメニューはほとんど替えないからこそ、テーブルクロスを替えるだけでもすごくリフレッシュした気持ちになれる。そんなふうに、変化を楽しめるのは『いつもの定番』があるから。少しずつなら新しい挑戦も自然に取り入れ、気に入ったらそのまま続けることができます。無理のないゆるやかな変化が、いまの私にはちょうどいい気がしているんです」
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〈撮影/ミズカイケイコ 取材・文/玉木美企子〉
德田民子(とくだ・たみこ)
文化出版局にて『装苑』『ミセスのスタイルブック』などの編集長を務めたのち、2009年に長野県安曇野市へ移住。ベーシックなアイテムを生かしたスタイリッシュなファッションとシンプルでセンスが光る暮らし、つくりやすい洋裁のアイデアでも人気を集めている。近著『別冊天然生活 德田民子さんのおしゃれと暮らし』(扶桑社)が発売中。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです