(『天然生活』2023年5月号掲載)
ウールの洗濯と防虫
そろそろ春めいてきて衣替えに取りかかるシーズンですね。衣類に残ったタンパク質汚れは虫食いの原因になるので、冬ものをしまう前にしっかり洗濯で汚れを落としておきます。
洗濯をする前に、まずは洗濯タグを見て家で洗える素材かどうかをチェック。
タグに「水洗いOK」のマークがあれば家で手洗いを、それ以外はクリーニングに出すようにしましょう。
制服はプリーツスカートも含めて、家で手洗いできるものがほとんどなので、タグを確認してみてください。
冬ものに多いウール素材の洗濯は30℃くらいのぬるま湯を使い、手で押し洗いを。ネットに入れ、洗濯機で2分ほど短めに脱水します。
お湯で洗って水ですすぐと、温度差で衣類が縮んでしまうので、洗いもすすぎも同じ温度のぬるま湯を使います。
初めて洗う衣類は袖口だけを部分洗いして、縮まないかを確認してから全体を洗うと安心です。縮み防止のために、洗って脱水が終わるまで、10分以内で手早くするのがコツです。
また、ウールは干している間も縮んでしまうので、干す前にアイロンで形を整えるのがおすすめです。濡れて縮んだ部分をアイロンで元の形に整えて干すと型崩れが防げます。
アイロンをかけるときは低温ドライで、引っ張るのではなく、ぐっと押す→浮かせて別の場所に移動を繰り返します。
干すときは袖などが重ならないように平置きして、重みで伸びないようにしてください。

ウールは物干し竿2本にタオルをかけて、そこに平置きして干す方法も
ワンピースなど長さのあるものはハンガーをふたつ使いし、裾の部分を別のハンガーにM字にかけて干します。
また、ウール素材に乾燥機は厳禁。摩擦で型崩れしてしまうので、急ぐときは浴室乾燥機などを利用します。
きれいに洗って乾かしたら、防虫剤と一緒に冬ものを収納します。防虫剤はハーブ、ヒバやクスノキのチップやブロックなど、天然素材のものを。香りもよく、衣類にイヤなにおいが残りません。

〈イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋〉
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。著書に『ナチュラルおそうじ大全』『ナチュラルおせんたく大全』(ともに主婦の友社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです