菊池 そうそう、以前クローゼットを見せていただいたとき、ラック2個だけで驚きました。
伊藤 オンシーズンの服をラックにかけて、オフシーズンの服は実家に置いているから、それで間に合っています。
菊池 私は手放せないタイプで、ひと部屋まるまる衣装部屋として使っています。別の場所に置くと、あること自体忘れてしまうので、一年中見ていたくて。
伊藤 タイプが違って面白いね。
菊池 まさこさんはおしゃれ自体が、すごく好きですよね。
伊藤 洋服に関しては頭がおかしいかも(笑)。でも、どうだろ。着て似合っている自分が好き、というよりも気分優先で、着ると気分が上がるものが好きなの。人からどう見られるのかは全然考えたことがなくて。
菊池 「気分優先」って、すごくまさこさんっぽい。「気分」と「見栄え」のバランスで、私は結構悩んじゃうので。まさこさんは、おしゃれのヒントにしているものはありますか?
伊藤 とくにないかな。最近は、何を着るかよりも、自分を整える、機嫌がいいことのほうが大事という気がして。どんなにいいものを着ても、肌や髪に潤いがないと魅力は半減するなと。なので、顔や手元や髪などのケアを日々、こまめにやっています。実は、週1でエステにも通っているの。
菊池 自分という素材を慈しむ。これ、おしゃれの極意かもしれないですね。
取材を終えて
まさこさんは、とっても『めぐりのいい人』だなぁと、改めて思いました。
おしゃれも、暮らしも、血行も。
健やかで淀みのない、風通しのいいクローゼットを、私も目指したいものです(遠い目)。
本記事は、『菊池亜希子のありが10(とう)ふく、みせて!』(扶桑社)|菊池 亜希子(著)からの抜粋です。
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菊池亜希子が豪華ゲストを招き、ゲストの私物をもとに、おしゃれについて熱くおしゃべり。読めばおしゃれしたくなるはず!
『天然生活』で連載中の、モデル・俳優の菊池亜希子さんによる人気連載『ありが10(とう)ふく、みせて!』を書籍化しました。菊池さんがいま会いたいゲスト15人をお迎えし、ゲストが「側にいてくれてありがとう」と思う私物、10アイテムについて、根ほり葉ほり取材しています。放課後に、友達とおしゃべりしているようなリラックスした雰囲気で、ゲストの本音を引き出していく菊池さん。見えてきたのは、ひとりひとり異なる、ものとのつきあい方、おしゃれに対する考え方や、大事にされている軸でした。年齢を重ねるごとに、「何を着たらいいのか分からない」「おしゃれが昔ほど楽しくない」と、おしゃれ心が乾きがちの私たち。でも、この本を読めば、気軽におしゃれを楽しんでみようという気持ちになるはずです。中島基文さんによる、愉快なデザインも見所です。
<撮影/千葉亜津子、星 亘 ヘア・メイク/西ヒロコ(omotesando atelier)>
伊藤まさこ(いとう・まさこ)
料理や雑貨など、暮らしをベースにしたスタイリストとして活躍。著書に『する、しない。』(PHP研究所)など多数。自身がプロデュースするオンラインショップ「ウィークスデイズ」を「ほぼ日」と一緒に運営。
著者・菊池亜希子(きくち・あきこ)
1982年生まれ。岐阜県出身。モデル・俳優・エッセイやイラストなど幅広く活躍中。近著は『へそまがりな私の、ぐるぐるめぐる日常。』(宝島社)。毎週土曜日、インターエフエムのラジオ番組『スープのじかん。』のパーソナリティーを務める。インスタグラム:@kikuchiakiko_official