(『天然生活』2023年6月号掲載)
おおらかなつる植物「クレマチス」を、ガラスのボウルに

水面に光が反射する涼やかなガラスは初夏の花活けにぴったり。
「とくにキッチンまわりに活けるなら、花器にこだわらず暮らしの器を使うと自然になじみます。つる植物は、生命力を楽しむように器いっぱいに踊らせて。水量は水を吸う根元がつかっていれば大丈夫。葉がつかると濁りの原因になるので、適宜取り除きましょう」
花材 クレマチス
花器 STUDIOスタジオ PREPAプレパのガラスボウル/約W22×D18×H7.5cm
生命力あふれる「初夏の草花」を、さりげなく暮らしに取り入れて
草花が伸び伸びと、力をみなぎらせる初夏。その明るく健やかな姿は、技巧を凝らすことなく無造作に挿すだけでも、暮らしの空間を明るく彩ります。
「初夏に旬を迎える草花は、繊細に見えるものでも、どこか独特の力強さがあります。ですから、たくさんの種類を組み合わせてブーケなどに仕立てるより、1種、もしくは2種ほどでまとめた方が、それぞれの美しさが際立つように思います。
草花の力にまかせることができますから、花と緑を飾る習慣のない方でも、いまの時季であれば、気軽に取り入れられるのではないでしょうか」
私たちは、“花を飾る”というと、まずお花屋さんに出かけようと考えますが、布山さんはもっと気軽に考えてみては? と提案します。
「庭に咲いているものを1本、活けるだけでもいいんです。あるいは、メインの花はお花屋さんで『旬のものを』手に入れ、あとは庭先にあるものを組み合わせてあしらうのも素敵です。旬を迎えている花は、暮らしの空間を満たしている光となじみます。まずはひとつ、ふたつの草花から、気軽に活けてみてくださいね」
〈スタイリング/布山 瞳 撮影/徳永 彩 取材・文/福山雅美〉
布山 瞳(ふやま・ひとみ)
東京・羽根木にて花と緑のアトリエ「malta」を営む。学生時代より、ファッションショーの開催をはじめ、舞台装飾に携わり、その後、パリスタイルのフラワーアレンジメントを学ぶ。
インスタグラム@maisonmalta
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです