(『天然生活』2023年8月号掲載)
「買い物」と「手放し」とのつきあい方
家にものを入れる「買い物」、逆に家から外に出す「手放し」には、もののつきあい方の哲学が表れます。
自分をご機嫌にしてくれる「もの」を味方にして。
01 買い物はご機嫌な友達を増やすこと
買い物は、自分の心がウキウキするような、ご機嫌な友達(=もの)を増やす作業です。
安いから、便利だからというだけで手に入れるのではなく、心が躍るような本当に好きなものを手に入れましょう。
最近はパソコンが入るA4サイズのバッグが人気だそう。仕事の気分を上げてくれる本当のお気に入りを見つけてみるのもいいかもしれません。

02 無理に捨てる必要はない
ものをどんどん捨てたくなるのは、いまの自分の生活が不満でそれを変えたいという気持ちの裏返しです。
でも、「捨てる」から居心地のよさが手に入るわけではありません。
家の整理をしようと、やみくもにものを捨てるのは要注意。
自分が好きなものは無理に捨てる必要はないのです。心が喜ぶものを自分のそばに残しておきましょう。
03 ヨーロッパスタイルでものとつきあう
ヨーロッパの家庭では古いものを大切に受け継いで、目に見えるところに飾ってめでているのがよくわかります。
たとえものが多くても、日本のように家事について深刻に悩んだりしている様子は見られないように感じます。
それは、好きなものに囲まれていることで、自分がいつもハッピーでいられるからかもしれません。
04 好きではない・役目が終わったものは手放し
ものを手放すときは、「好きではない」「役目が終わったもの」の2種類が基準。
何度も処分を迷ってきたものでどちらかに当てはまるなら、思い切って手放して正解です。
処分を迷うときは、手に入れたときの感覚をもう一度思い出して、気持ちがほっこりするならまだ愛着がある証拠。
もう少しそばにおいておいてもいいでしょう。

〈監修/加茂谷真紀 取材・文/工藤千秋 イラスト/ヤマグチカヨ〉
加茂谷真紀(かもや・まき)
80年続く寝具店で生まれた東京生まれ、東京育ち。多忙なワーキングマザーとして家事・子育てを両立してきた経験から、「自分の機嫌のよさ」や「気持ちの明るさ」を重視した家事のあり方を提案し、多くの人から共感を得る。著書に『愛のエネルギー家事』『愛のエネルギー家事 すてきメモ303選』(ともにすみれ書房)などがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです