寒暖差がある春は、猫が苦手な季節
だんだん暖かくなってきましたが、それでも、急に冷え込む日も。寒暖差になかなか慣れないまま、春という季節の中にいます。
本当なら、穏やかで心地良いはずの春。
ですが、実は春こそ、猫にとって体調を崩しやすい注意信号の時期なのです。
冬場は暖房やホットカーペットなど、寒くても気を遣い部屋の中を暖かくしているかと思いますが、春になってくると、つい「もう大丈夫だね」と暖房機器をつけない日が増えます。
もちろん暖かい日はいいのですが、ひんやりした日は、その急な寒さに体調を崩したり、そこまでいかなくてもストレスのかかってしまう猫ちゃんが増えるそうです。

少し寒い日があるうちは冬の支度で
うちの子の場合、特に関節炎の子がいますので、冬場、ずっとつけていた床暖房を切っただけで、なんだか少し痛そう……。
過ごしやすいはずの春ですが、人間が気をつけてあげないと、逆に猫にとってはピンチの季節になってしまいそうです。
そこで、この季節にちょっと心がけてあげるといいこと。
(1)猫用ベッドや毛布など、冬用品をまだ片づけない
寒いときには、冬用の温かいベッドに入ったり、毛布にくるまったりと、寒さを和らげることができます。

(2)日の差す場所を快適にしておく
防犯にだけは気をつけてカーテンを開け、日光をとりこめる場所を作ってあげましょう。
昼間はそれだけで、天然の床暖房になります。

(3)冷え込む日には、春でも暖房をつける
「もう春だから」と安心せず、寒さを感じるときには、ちょうどいいくらいの温度にしてあげましょう。
暖かいほうが、お水の飲みもよくなり、安心です。
春は、一日ごとに、暑かったり、寒かったり、安定しない気候が続きます。
人間も自律神経にきて体調を崩しやすいのも春。そして、そんなに危険な時期なのに、つい「もう春なのだから」と我慢してしまいがちなのも春なのです。
どうか、人も猫も、「自分に優しく」「無理をせず」をモットーに。
急な気温や気圧の変化で弱った体や心に、リラックスできる状態を整えて、ゆるゆるしながらお花を愛で、柔らかい風を味わって過ごしたいですね。

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咲セリ(さき・せり)
1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。
ブログ「ちいさなチカラ」