猫の老化って何歳から?
気がつけば、私も46歳になり、なんだか日々が過ぎていくのがどんどん速くなっていくように感じられます。
結婚して猫と暮らし始めたのは21年前。中には、20歳まで長生きして、生き終わりをともにしてくれた子もいます。
今、我が家の最年長は15歳がふたり。
20歳に比べると、まだまだ若いイメージでしたが、じっくりその子たちを見ると、「ああ、やっぱり歳をとったんだなあ」と痛感することもしばしばです。
かつて、猫は7歳からシニアと言われていましたが、嬉しいことに高齢化が進み、今では11歳から14歳までを高齢期。15歳以上を後期高齢期と呼ぶのだそうです。
ということは、うちの15歳ももう後期高齢期になるのですね。
いつまでも甘えん坊な子たちを見ていると、なんだか信じられません。
猫の変化に慌てないために
ただ、このあいだびっくりすることが。
ふと、横たわっている黒猫「ウン」の肉球を見ていたら、それまでは真っ黒だったのに、あずき色になっているじゃありませんか。
「もしや貧血!?」と慌てて病院に連れていきましたが、血液検査は大丈夫。
そうではなく、老化によって、肉球が乾燥し色が薄くなっているのだそうです。

そういえば、真っ黒だった口の下の毛にも、ちらほら白髪のようなものも混じり、毛並みも昔よりツヤがなくなってきたような気がします。
他にも、同じく15歳の「でかお」は、年齢を感じさせるたるーんとしたおなかに。少し目やにも増えました。
ずっと一緒にいて、いつまでも子猫のような愛らしさで永遠に老けないと思いがちな猫たち。
でも、ゆっくりと年齢を重ね、「老化」していきます。
すると、私たち家族も、それに伴うケアをしてあげたいものですし、猫たちの老化のサインを見過ごしてはいけませんよね。

猫の老化のサイン。11歳以降は要チェック
そこで、猫の老化による見た目の変化チェック!
皆さんの猫ちゃんは、こんなことはありませんか?
・太ももなどが細くなった
・歯に黄ばみが出てきた
・口臭がするようになった
・肉球が乾燥している
・毛艶がなくなり、パサついてきた
・白髪が増えた
・爪がよく伸びるようになった
・お腹がたるんできた
・目やにが増えた

シニア期を迎えた猫の変化に気づけるよう、スキンシップをよくとって、優しく体を撫でてチェックしたり、ブラッシングなどでケアしてあげるのも大切ですね。
我が家の、「ウン」と「でかお」も、後期高齢猫とはいえ、まだまだ元気! むしろ、甘えん坊に拍車がかかってきました。
子猫たちの天真爛漫な怖いものなしの元気もかわいいですが、高齢猫のまるで言葉が通じているかのような、全幅の信頼を寄せてくれる姿は、年月をともに過ごした分だけ、かけがえのない愛おしさです。
この時間が少しでも長く続くよう、今日も、「大好きよ」と繰り返し、みんなをなでなでしていく私なのです。

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咲セリ(さき・せり)
1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。
ブログ「ちいさなチカラ」