• 紅茶専門店として13年、チャイの専門店として3年目を迎える「ミミロータス」の店主・吉池浩美さんに、「マサラチャイ」のつくり方をお聞きしました。現地で出合った忘れられない味を、私たち日本人にも合うようにアレンジした一杯で、8つのスパイスがブレンドされています。本記事は、『旅のち、チャイ チャイと焼き菓子のレシピ&旅ノート』(婦人之友社)からの一部抜粋でお届けします。

    ネパールの「マサラチャイ」に癒されて

    もてなしのスパイス

    画像: もてなしのスパイス

    ネパールに暮らしてまず驚いたのが、普段のチャイにほぼスパイスを使わないことだった。

    マサラ(ヒンディー語でスパイスミックス)を入れたチャイは、おもてなしをする時に作ることが多く、実は特別で贅沢なものなのだ。

    マサラチャイによく使うスパイスは、カルダモン、シナモン、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、ブラックペッパーなどなど。その材料や配合は千差万別で、作る人や飲む人の体調、その日の気分によっても変わる。

    ネパールの南西に位置する小さな街、タンセン。

    その街のゲストハウスのディディ(お姉さん)が作るマサラチャイには、スパイス以外にも庭にワサワサ茂っている「テジパット」と呼ばれるシナモンの葉が惜しみなく加えられていた。まだ青いその葉っぱをちぎって揉んで放り込む――。それが最高のもてなしだ、と彼女は豪快に笑う。

    テジパットの甘くてほのかにスパイシーな香りは、どこか懐かしく、限りなく優しく、旅の疲れをそっと癒してくれた。

    画像1: ネパールで出合った「マサラチャイ」のつくり方。濃厚で“限りなくやさしい”思い出の味/チャイ専門店ミミロータス・吉池浩美さん
    画像2: ネパールで出合った「マサラチャイ」のつくり方。濃厚で“限りなくやさしい”思い出の味/チャイ専門店ミミロータス・吉池浩美さん
    画像3: ネパールで出合った「マサラチャイ」のつくり方。濃厚で“限りなくやさしい”思い出の味/チャイ専門店ミミロータス・吉池浩美さん
    画像4: ネパールで出合った「マサラチャイ」のつくり方。濃厚で“限りなくやさしい”思い出の味/チャイ専門店ミミロータス・吉池浩美さん

    スパイスを効かせて、暑さに負けない体をつくる
    ミミロータス流「マサラチャイ」のつくり方

    8種のスパイスをミックスした、「ミミロータス」オリジナルのマサラチャイです。

    材料(約2杯分)

    ● 紅茶の茶葉6~7g
    ● 水120mL
    ● 牛乳250mL
    ● 砂糖小さじ3
    A
    ・シナモン1g
    ・カルダモン3〜4粒
    ・ブラックペッパー小さじ1/2
    ●シナモンリーフ(テジパット)1枚
    ※なければシナモンをもうひとつまみ加える
    ●生姜のしぼり汁小さじ1と1/2
    ●マサラパウダーふたつまみ

    つくり方

     手鍋に水と茶葉、細かく潰したA、ちぎったシナモンリーフを入れ1分半〜2分強火にかけ、葉をしっかり開かせる。

    画像1: つくり方

     強火のまま牛乳を入れる。お玉などで空気を含ませながら、沸騰直前までよく混ぜる。2分くらいが目安。

    画像2: つくり方

     吹きこぼれる手前で火を弱め、そのまま弱火で1分半〜2分、混ぜながら煮出していく。茶葉がクツクツ踊るような火加減で。

    画像3: つくり方

     ふたたび強火にし、吹きこぼれる直前で火を止める。ここで少し蒸らすとより濃厚に!

    画像4: つくり方

     カップに砂糖と生姜汁を半量ずつ入れ、を注いで混ぜる。

    画像5: つくり方

    memo
    ミミロータス流のポイント

    ★砂糖は素精糖がおすすめ

    さとうきびから作られた未精製の砂糖で、クセがなくベタッとした甘さが口に残りません。精製されていないきび砂糖でも。

    ★牛乳は低温殺菌牛乳で

    口あたりが軽やかで、飲み終えた後もさらっとしていてキレのいいチャイが楽しめます。

    画像6: つくり方

    〈料理・撮影・文/吉池浩美〉

    ※ 本記事は『旅のち、チャイ』(婦人之友社)からの抜粋です。
    ※『天然生活』2025年7月号にも、吉池浩美さんのお茶時間の記事を掲載中です。

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    『旅のち、チャイ』チャイと焼き菓子のレシピ&旅ノート(吉池浩美・著/婦人之友社)

    画像5: ネパールで出合った「マサラチャイ」のつくり方。濃厚で“限りなくやさしい”思い出の味/チャイ専門店ミミロータス・吉池浩美さん

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    紅茶とスパイス、牛乳を煮出し、たっぷりの砂糖を加えるインド式ミルクティー「チャイ」。長野の人気チャイ店「mimiLotus(ミミロータス)」店主のとっておきのチャイや焼き菓子のレシピを、ネパールやインド、東南アジアの旅ノートと共にお届けします。


    吉池浩美(よしいけ・ひろみ)
    中学時代に、両親の勧めで訪れたネパールでチャイと出合う。自由学園卒業後、神奈川県の「紅茶専門店ディンブラ」で故・磯淵猛に師事。2005年鎌倉に「紅茶専門店ミミロータス」を開き13年間営業した後、閉店。1年間ネパール各地で現地の人々にチャイをふるまう旅をする、現在は長野県東御市でチャイと焼き菓子の店「mimiLotus」を営む。

    インスタグラム:@mimi.lotus

    画像7: つくり方


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