知れば知るほどハマる、ディープで楽しい紙の世界
「仕事柄、いろんな紙を手にしてきましたが、いまだに新しい紙に出合うとワクワクします。世の中には、本当にいろんな紙があるんですよ。たとえば、みんなが選挙のときに手にする投票用紙。会場で使われるのは、集計がスムーズに行えるように、きちんと折っても自然に開いてしまう特殊な紙です。身近なお店で買えるものだと、『ダイソー』でも売られている水場でも安心のメモ帳も。お風呂につかりながら絵を描いたり文字を書いたり、ときには入浴中の柔軟な頭に思いついたアイデアを即座にメモすることもできる耐水性の高い紙が使われています。知れば知るほど、紙の世界は奥が深くて、興味が尽きないのです」
好きな紙もの1 マスキングテープ
「どんどんと、自宅に増えていくのがマスキングテープ」
愛らしい絵柄にときめき、さまざまな種類を持っているそう。
「とくに作家ものが好き。写真の左上は、イラストレーターの犬ん子さんが描く福助のテープ。縁起物の絵柄に惹かれます」
右上は、元からテープが切れている仕様の「KITTA」。日々の時間をもっと好きになる工夫を提案する文具ブランド「HITOTOKI」のもの。
「一般的なロールタイプと違い、コンパクト。5cmの長さにカットされたマスキングテープが積層されていて、好きな柄をピッと外して裏の剥離紙をめくって使います。手帖にも収まるスリムさもうれしいですね」
手前左のグレー色のテープは、カモ井加工紙のブランド「mt」からでている6mm幅の無地タイプ。
「台所の食器棚や冷蔵庫など、メモを貼りつける際にも重宝しています」
右下の水色のタイプは、「ダイソー」で購入。会社の封筒と同じ色のマスキングテープです。「袋と同じ色で封を閉じ、テープが目立たないように、という妙なこだわりがあり、仕事では好んで使っています」
好きな紙もの2 ふせん&メモ用紙

「最近は、ロールふせんがお気に入り。ミシン目でぴりっとはがせて、面で貼れて、メモもかける。借りていたものを返すときや、ちょっとしたおやつをあげるときなど、袋にペタリとつけて渡しています」
写真左下の太いタイプは、イラストレーターの芳野さんのもの。
左上は「11ぴきのねこ」のメモ。
「絵本作家の馬場のぼるさんのイラストは、見ているだけで、元気になるでしょう? こちらもついつい買ってしまうシリーズのひとつです」
右上はカミテリアの角を活かしたふせん「edge+on」。切れ目が入っていることで、本やファイルの角や側面を差し込んで機能的に使え、読書中の本のしおり代わりにもなります。
「『よくぞ、考えてくださいました』と、つくり手の方に感謝を伝えたくなるようなアイデア文具も好きですね」
右下は、差し入れなどに、ぺたりと貼って使える「のし紙風」のかわいいふせん。下段に自分の名前が書けるようになっていて、日ごろの感謝の気持ちを、さりげなく伝えることができるやさしいアイテム。
アッシュコンセプトと浅野デザインとマルアイの3社のコラボレーションシリーズ「こころを伝えるコミュニケーションシリーズ」として誕生。
「もらった人の気持ちや空気をふわっと和ませてくれるようなものは、ついつい買ってしまいます」

やまま文具の“金銀銅のふせん紙”「私が持っているものは、金のふせん紙。姉からプレゼントされました」。イタリア製の紙が使われた、大人のふせん。
シモジマのファンシーな「ストップペイル」のメモカードと、36(サブロ)オリジナルのたぬきケーキのイラストが描かれた昭和風のおやつシール。
「左のストップペイルシリーズは、絵柄を見るたび、地元の商店街にあった文具店の包装紙を思い出します。ラッピングペーパーや、OPP袋など、いろんな種類を持っています」

伊東屋から出ている、トレーシングペーパーのメモ帳です。
「小さな頃から、絵を写し書きして遊べるような透ける紙が好き。これは、大人の写し紙として買いました。透け感も、ざらっとした手触りも、すべてにぐっときます」
▼“文房具好き”編集者の偏愛コレクション
<撮影/星 亘>