• 東京から高知へ。新たな暮らしで見つけたのは山や海へ出かけ、自然の営みのなかで、旬の食材を味わって、くすくす笑って暮らすことでした。トラネコボンボン主宰・中西なちおさんと、夫の義明さんがたどり着いた、等身大の自分たちらしい暮らしと、ふたりの「一番大事」をお聞きしました。
    (『暮らしのまんなか』vol.33より)

    ※記事中の情報は『暮らしのまんなか』vol.33掲載時のものです

    東京から、高知での新たな暮らしへ

    高知市内の中心地に立つ小さくて古いビル。

    細長い階段を上って扉を開けると真っ白な空間が現れました。つい最近まで、床や壁にペンキを塗っていたのだとか。

    ここが、2021年に東京から引っ越してきた中西なちおさんと義明さんの住まいです。

    画像: すべての部屋の壁、天井、さらにキッチンの扉などを自分たちで白くペイント。調理台兼食卓にしている天板は、30年以上ねかせたスギ材。たまたま持っていた軍用の収納箱の幅にぴったりだった

    すべての部屋の壁、天井、さらにキッチンの扉などを自分たちで白くペイント。調理台兼食卓にしている天板は、30年以上ねかせたスギ材。たまたま持っていた軍用の収納箱の幅にぴったりだった

    画像: 1階のキッチンには、白く塗った食器棚を置き、白い器だけを並べている。観葉植物が空間をやさしい雰囲気に演出

    1階のキッチンには、白く塗った食器棚を置き、白い器だけを並べている。観葉植物が空間をやさしい雰囲気に演出

    実はこの物件は、15年以上前から借りていたもの。

    高知出身のなちおさん。若いころから料理と旅と絵が好きで、高校時代は画家になりたかったものの、途中で挫折。沖縄に移住しました。

    この物件は、沖縄と高知を行き来していた時代に借りたそう。

    画像: 義明さんが仕事をしたり、なちおさんが制作をしたりと多目的に使う部屋。古い家具は一部白く塗装し、道路側の窓にだけ「チェック&ストライプ」で買った布でカーテンを

    義明さんが仕事をしたり、なちおさんが制作をしたりと多目的に使う部屋。古い家具は一部白く塗装し、道路側の窓にだけ「チェック&ストライプ」で買った布でカーテンを

    画像: 多目的部屋にもキッチンがあり、飲み物専用のグラス類を並べて。コーヒーなどはここで淹れる

    多目的部屋にもキッチンがあり、飲み物専用のグラス類を並べて。コーヒーなどはここで淹れる

    画像: 気持ちのいい窓辺のコーナーにデスクを置いて、義明さんの書斎スペースに

    気持ちのいい窓辺のコーナーにデスクを置いて、義明さんの書斎スペースに

    その後、義明さんと出会い、結婚。

    自然に料理が仕事になり、ケータリングなど、だんだん東京での仕事が多くなって都内に引っ越しました。

    ところが……。せっかく仕事が軌道に乗ったのに、すべてをリセット。

    「企業レストランのメニュー構築などもやっていたんですが、ちっとも面白くなくなっちゃったんです。自分が好きなことだけしようと、『旅するレストラン』というコンセプトで『トラネコボンボン』を立ち上げました。これで食べていけるのかどうかは、まったくわかりませんでしたけど」

    すると不思議なことに、料理の仕事とともに、念願だった絵を描く仕事も増え、自分らしく仕事がまわりはじめました。

    そんななか、コロナ禍を機に高知で過ごすことに。



    〈撮影/徳丸哲也 編集・取材・文/一田憲子〉

    中西なちお・義明(なかにしなちお・よしあき)
    なちおさんは「トラネコボンボン」主宰。「旅するレストラン」と称して各地で料理を提供。作画家としても活躍。夫の義明さんは、音楽関連会社勤務後、早期退職して沖縄に移住。現在は知人のライブのプロデュースなどを手がける。2021年より高知在住。
    http://toranekobonbon.com/



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