• 私らしく、新しいことに挑戦してみたい。チャレンジ精神をもって新しい仕事や暮らしを選ぶ。始まりは人との縁と小さな勇気からでした。「呼吸ラボラトリー」のアマミヤアンナさんは、信州・下諏訪への移住をきっかけに、自分のペースで暮らしと向き合う時間が増えたと話します。畑しごとや温泉、自然のなかで過ごす日々が、仕事にも小さな変化をもたらしました。今回は、下諏訪での暮らしと心身の整え方について伺います。
    (『天然生活』2024年6月号掲載)

    やってみたかったことを次々と実現している日々

    ▼前回までのお話はこちらから▼

    ◻︎東京から信州・下諏訪へ移住して始めた、新しい挑戦

    編集の仕事で多忙だった日々から離れ、信州・下諏訪での暮らしを選んだアマミヤアンナさん。

    呼吸法の指導やリトリートを行う「呼吸ラボラトリー」を主宰し、下諏訪温泉の旅館で開く1泊2日の呼吸リトリートには、県内外から人が集まります。

    画像: 諏訪湖畔を散歩するのが習慣に。「車生活なので運動不足にならないように気をつけています」

    諏訪湖畔を散歩するのが習慣に。「車生活なので運動不足にならないように気をつけています」

    頭に浮かんだことに素直に従って、まずはやってみる。

    そうして試行錯誤しながら、自分らしい仕事の仕方を探す日々です。

    「諏訪は標高が高いから、東京より雲が近いんです。ここに来てから空をよく見るようになりました」と話すアマミヤさん。自然豊かな土地での暮らしを満喫しています。ここ数年は、畑を借りて野菜を育てることに夢中です。

    画像: 地域の氏神さま、八剱(やつるぎ)神社もよく訪れる。手水舎から流れるのは温泉

    地域の氏神さま、八剱(やつるぎ)神社もよく訪れる。手水舎から流れるのは温泉

    「自然農法をやっている友人に教えてもらいながらトマトやキャベツ、パプリカなどを育てています。まだなかなかうまくいかず、収穫量も少ないです。でも、土に触れて畑を観察することで得ている恩恵の方が大きいですね」

    畑以外の新しい楽しみは温泉。地元の共同浴場へ週に1度は足を運んでいるそうです。

    「この辺りは湯温が高めなんですが、いろいろ回って、好きなところを見つけていますね」

    諏訪に来てから、デスクワークを減らしたことで、心身が楽になったのも大きな変化。

    画像: デスクワークが多く、体への負担やストレスが大きかった東京時代。こまめにセルフケアをしながら日々を過ごしていた

    デスクワークが多く、体への負担やストレスが大きかった東京時代。こまめにセルフケアをしながら日々を過ごしていた

    「パソコンに向かう時間が減って、前より笑顔が増えたかも」と話します。

    気持ちが変わったらまた引っ越せばいい

    とはいえ、この地に移り住むにあたって、葛藤がまったくなかったわけではありません。引っ越す前は不安も抱えていたそうです。

    「いま振り返ると、これが終の住処になるのかという恐れがあったのだと思います。子どものころから引っ越しが多かったせいか、ひとつの場所に住みつづけるというのがあまり想像できなくて」

    画像: 地元の食材を使った総菜お弁当の店「オドリバデリ」がお気に入り

    地元の食材を使った総菜お弁当の店「オドリバデリ」がお気に入り

    画像: 「呼吸リトリートのお弁当をお願いすることもあります」

    「呼吸リトリートのお弁当をお願いすることもあります」

    そんななか、諏訪に来て半年くらいたったころ、突然ある思いが降りてきたといいます。

    「諏訪湖の周りを歩きながらこれまでの引っ越し人生などを思い返したときに、ふと『この土地にもずっとはいないだろうな。そうやって気持ちが変わったら、また引っ越せばいいんだ』って思ったんです。そのときから気が楽になりました。移住というと大きな覚悟が必要な気がするけれど、ちょっと引っ越すという気持ちでもいいのかもしれません」

    そのときどきの気持ちや縁を大切にしながら、軽やかなフットワークで。

    アマミヤさんが進む道には、いつだって気持ちのいい風が吹いていそうです。



    <撮影/ミズカイケイコ 取材・文/嶌 陽子>

    アマミヤアンナ(あまみや・あんな)
    「マーマーマガジン」編集部在籍中に加藤俊朗さんの呼吸法と出合う。加藤メソッドの呼吸法をベースに、整体やアロマテラピーで学んだことを生かし呼吸ワークを行っている。オンラインストア「lightfields8」も運営中。https://kokyulaboratory.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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