• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。蚊の季節、猫にも危険がある場合も。

    夏の蚊対策をスタート

    夏も近づき、だんだん「ヤツ」が現れる季節になりましたね。

    そう。蚊です。

    我が家は山の近く。田舎に住んでいるうえに、庭にも木が沢山生えているので、蚊には絶好の住処。昼といわず夜といわず、血を吸う機会をうかがっています。

    そのため、うちは蚊が出る前にペット用の蚊取り線香を焚くように。

    人間がかゆいのはもちろん嫌ですが、それ以上に、我が家の猫たちに蚊による悲劇が起こらないよう、細心の注意を払っています。

    猫は蚊に刺されても人間のようにかゆがることはほとんどありませんが、さまざまな弊害があります。

    画像: 夏の蚊対策をスタート

    蚊を媒介しにて猫がかかりやすい病気

    たとえば、アレルギー皮膚炎。

    蚊に刺された部分というよりは、アレルギー反応により顔や耳、肉球などに皮膚炎が起こる可能性があります。その際は痒みを伴う場合もあり、脱毛したり、かさぶたができたり、膿がたまったりすることも。

    蚊の対策をしていないお家で猫に普段とは違う症状が見られた場合は、蚊によるアレルギーを疑う必要がありそうです。

    また、何より恐ろしいのは「フィラリア」です。

    かつて、フィラリアは犬の病気と思われていましたが、最近は猫にもフィラリアがあることが分かりました。

    犬と同じ犬糸状虫が寄生することで発症する病気ですが、犬とは違って、少ない犬糸状虫であっても命を脅かす可能性があるというのです。

    ところが困ったことに、猫の場合、フィラリアにかかってもほとんど症状が出ないことが多くあります。

    そのため、感染していても分からないまま、突然、死に至ってしまう可能性が高いのです。

    もし、家に蚊がいて、フィラリアにかかる危険性のある子は、特に次のような症状に気を配るといいかと思います。

    ・元気喪失

    ・食欲不振

    ・体重の減少

    ・咳

    ・呼吸困難

    ・嘔吐

    とはいえ、一番大切なのは「猫が蚊に刺されないよう予防する」こと。

    画像: 蚊を媒介しにて猫がかかりやすい病気

    わが家の蚊対策

    ペット用の蚊取り線香はもちろん、特に蚊との接触が多い猫には、毎月一回の予防薬の投与も大切です。

    これは、猫が蚊に刺されることを防ぐ薬ではなく、蚊に刺され、万が一フィラリアに感染したときの予防(体に入りこんだフィラリアを駆除する)になります。

    スポットタイプでお家でも簡単に投与できるので、動物病院などで相談の上、処方していただくといいかと思います。

    とはいえ、予防薬には副作用もあります。

    私の母の家の猫「くるる」は予防薬の投与により、投与した箇所にハゲができてしまいました。すぐに病院に行き、その後、塗り薬をつけていますが、そうした可能性もあるので投与後はしっかり観察することも必要です。

    過ごしにくい季節。

    蚊に、熱中症に……と気を付けることはいろいろありますが、居心地の良い環境をキープして、猫に優しく、人間に優しく、一息つくリラックスの季節にしていきたいですね。

    画像1: わが家の蚊対策

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    画像2: わが家の蚊対策

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

    ブログ「ちいさなチカラ」



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