アーユルヴェーダの学びを生かし、心地よく暮らすブラフ弥生さん。家のなかに情報を詰め込みすぎず、余白のある空間づくりを心がけています。意識している「3分の1の空きスペース」という考え方について教えていただきました。
(『天然生活』2024年6月号掲載)
ものも食事も「腹7分目」に。
3分の1の余白があるのが、すべてにとってのベストバランス
ブラフさんが意識しているのが「3分の1の空きスペース」という考え方。食事は腹7分目を意識し、収納も全体の3分の1は空けておくのが基本。
情報も詰め込みすぎないようにするため、夜は極力スマートフォンから離れ、さらにはスケジュールも3分の1は空けておくようにしています。
「余白があってエネルギーがうまく循環している場所にいると、自然と体もめぐりがよくなります。私自身、昔は胃痛や花粉症などに悩まされていましたが、最近ではそうした不調はなくなりました」

3年ほど前から長野県にある山荘と東京の自宅との2拠点生活をするように。より自然に近い暮らしになったほか、ものを持つことに対する考え方も変わりました。
「長野の山荘は小さいので、最小限のものしか置けません。でもストレスや不便はなく、むしろ心地いいんです。本当に必要なものは、実はほんの少し。それで十分幸せに暮らせるのだと実感しています」
ブラフ弥生さんの、余白のある部屋づくり
余白のある部屋づくり01
棚の中の物量は3分の2以内に抑える

寝室に置いている本棚も3分の1は空けている。「年に数回、本をまとめて処分し、適量を保っています」
「ものが棚にぎゅうぎゅうに詰まっているとエネルギーがスムーズに流れず、運気も下がる気が。常に3分の2以内に抑えることを心がけ、ものが増えてきたら減らすようにしています」
余白があれば、ものも見やすく、出し入れしやすくなるという利点も。「収納が増えるとその分ものも多くなるので、棚も増やさないようにしています」
余白のある部屋づくり02
玄関の棚の上には植物だけ

玄関の棚には庭の花や植物を飾っている。ミントやティーツリーなどのハーブを飾ることも
郵便物や鍵、上着などで散らかりがちな玄関の棚。
「アーユルヴェーダでは『似たものが似たものを増やす』という考え方があります。散らかった状態にしておくと、さらに散らかってしまうんです」
そこで玄関に植物以外は一切ものを置かないようにしたところ、「一時的にものが置いてあっても、すぐに片づくようになりました」
〈撮影/星 亘 取材・文/嶌 陽子〉
ブラフ弥生(ぶらふ・やよい)
ヨガインストラクターと並行してインド哲学を学ぶうちにアーユルヴェーダと出合い、2010年、南インドでセラピー技術を取得。現在は講座やセラピスト養成、執筆などを通じて毎日の暮らしに密着したアーユルヴェーダの魅力を伝えている。著書に『台所薬局 スパイス&ハーブで、心と体をセルフケア』(主婦の友社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです