(『天然生活』2023年1月号掲載)
寝具のお手入れと選び方
お正月は、パリッと清潔なシーツや布団カバーで、清々しく迎えたいものです。シーツや掛け布団カバーは大物だけに、頻繁に交換し洗って干すのは確かに大変。でも、人は寝ている間に大量の汗をかいており、夏場はひと晩で500mLにもなります。
そのため、夏であれば毎日、冬でも最低、週2回はシーツやカバー類を交換するようにしましょう。
頻繁に交換して洗うのが大変だからこそ、新調するときは洗濯しやすい素材選びが大切です。おすすめは天然繊維の麻かシルク。乾きが早く、洗濯物が乾きにくい冬でもストレスを感じません。
洗いやすいイメージがある綿素材は、実は乾きにくいというのが難点。とくに、冬は暖かさを求めて厚手の綿シーツを使う人がいますが、乾きにくいからと洗濯回数が減るのは本末転倒です。
綿素材を使うなら、薄手で乾きやすいものを選びましょう。タオルケットも同様で、厚手のものより、薄手のガーゼ素材を重ねて使います。洗濯してもすぐ乾き、2枚重ねにすることで暖かさもキープします。
汚れが最も気になる枕カバーは、毎日洗濯を。素材はシルクがおすすめですが、ほかの素材のカバーの上に一枚シルクのスカーフや布をかけるだけでもOKです。
枕カバーの上の布をさっと取り替えるだけなので、毎日の交換も手間なくできます。汗かきさんは、シルクの布の代わりにタオルを使ってもいいでしょう。
とはいえ、家族全員分のシーツやカバーを一度に洗濯するのは大仕事です。わが家では月曜日は夫、火曜日は子どもというように日にちをずらして洗濯。こうすると、干す場所にも困りません。
汗を吸った敷き布団は掃除機を週1回かけて、天日干し、または布団乾燥機で乾燥を。
マットレスは定期的に立てかけて風を通し、ついでにベッドの下も掃除機をかけます。マットレスを戻すときは、表裏や上下を元と反対にすると、スプリングのヘタリを軽減でき、長持ちします。

敷布団は掃除機に専用ノズルをセットしてほこりやダニを吸い取り、乾燥させる

〈イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋〉
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。著書に『ナチュラルおそうじ大全』『ナチュラルおせんたく大全』(ともに主婦の友社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




