(『天然生活』2024年7月号掲載)
ものが多くても整う、部屋づくりのルール7つ
47㎡のマンションにパートナーと暮らす、RoomStylistで整理収納アドバイザーのひでまるさん。
ものが多く、押し入れやクローゼットもないのに、部屋が整って見える理由とは?
「部屋をすっきり見せるために必要なのは、センスではなくルールです」と語るひでまるさんに、知っておきたいルールを教えてもらいました。
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工夫1 見せたいものは高さ75~135cmに置く

植物と一緒に飾っているのは豊田弘大さん作のベンジャミンバロックという植物の絵。緑と合う色合い
この家の主役は植物で、その数なんと70種100株以上。
座っていても立っていても見やすい「75〜135cm」の高さに置いています。
「フォーカルポイントといいますが、部屋の注目ポイントに好きなものを置くと心が和みます」
ダイニングテーブルや、奥のチェストなどの高さを75cmにそろえているのもすっきり見えるポイント。
工夫2 おしゃれに見せたいものは3つセットで並べる

キッチンには木製のまな板が3つ。プレートと魚の骨をモチーフにしたもので、このように2対1で3つのものを構成すると、さらにおしゃれに見える
ものを飾るときは3つを三角形に置くといいそう。
「三角形に置くと、ものが立体的に、魅力的に見えます。正面から見て三角形でも、上から見て三角形でもいい。
慣れてきたら、小さい三角形をたくさんつくって、全体で大きな三角形になるように配置するのもおすすめです。
空間に奥行きが生まれ、すっきり見えますよ」

照明やキャンドルも、3つで1セット。色や形が不ぞろいでも三角形を意識しさえすれば、調和がとれて美しくまとまる
工夫3 すっきり見せたいところはものを2列に並べる

使用頻度の高いものは、引き出し式の収納ケースに。デザインが好きな無印良品のトタンボックスはふた式なので、使用頻度の低いものを収納
仕事道具などを収納しているボックス類は、2列に並べるのが基本。
まんなかにラインがビシーッと引かれるように、整然と並べます。
「ものを並べたときに、なんとなく落ち着かない場合は、左右対称を意識してみてください。
全部を同じにそろえる必要はありませんが、左右対象に同じものを並べることで、整って見えますよ」
工夫4 家電は色をそろえインテリアになじませる

白と黒、壁のグレー、植物の緑と、色のバランスが整っている。オーブンレンジの上の青いお皿がアクセントに
白を選びがちなキッチン家電をひでまるさんは黒で統一しています。
「わが家の中で、変えられない色のひとつに白があります。
とくにキッチンの奥の引き戸やワークトップなどが白いので、家電を白にすると真っ白な空間に。
そこで、どんな色とも相性がよく、インテリアが締まる黒をベースにして、目立たないようにしました」
工夫5 見えないラベルですっきり見せる

「無印良品」のトタンボックスは、持ち手を上げると見える位置にラベルを貼っている
表に出したくないものを収納するのに便利なケースですが、どこに何を入れたか忘れてしまいがち。
とはいえ、ラベルが目につくと、とたんに生活感があふれます。
「目によく触れる場所にあるものは、インテリアのじゃまをしない、見えにくい場所にラベリングしています。
冷蔵庫の中のケースなどにはそのままラベル貼りしていますよ」

ボックスの側面や引き出しの取り出し口など、収納ケースの形に合わせて、目立たないがすぐわかる場所に
工夫6 突然やってきたものをしまえる場所を用意する

リビングの窓側に置いたキャビネットの引き出しは一時置きスペースのひとつ。ほかにキッチンにもある
頂き物や買ってきたものなどを、ついダイニングテーブルやソファなどに置いていませんか。
そうしたちょい置きが、部屋が散らかって見える一因に。
「しまう場所が決まっていないものを一時置きする場所をつくっています。
1週間など期間を決めて収納場所にしまうようにすれば、いつでも片づいて見えます」
工夫7 季節外れのラグは吊って収納

キッチンと寝室の間に狭いスペースがあり、季節もののラグを丸めてS字フックで吊るしている
押し入れやクローゼットなどの収納スペースがないひでまるさん宅では、頭上のスペースも有効活用。
「取り出しやすい場所は使用頻度の高いものを収納し、年に1回しか使わないお飾りや、季節ものはデッドスペースに。
扉裏や家具のすき間、高い場所など、新たな収納場所候補を探すつもりで、家の中を確認してみてください」
〈撮影/星 亘 取材・文/長谷川未緒〉
ひでまる
ディズニーストアや美術館などでビジュアルマーチャンダイジングを行った経験を生かしたルームスタイリングで人気。男性パートナーとの暮らしを発信するSNSも評判。著書に『47㎡、2人暮らし 大好きだけが並ぶ部屋作り』など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです