• 家の中で一番、ものが多いといわれる台所。料理上手ならなおさらです。愛すべき道具や器たちをどう収めているのか? 李青オーナーの鄭玲姫さんに台所を見せてもらいました。今回は、「シンク」まわりと、30年大切にしている「近江水屋箪笥」の収納を拝見します。
    (『天然生活』2022年10月号掲載)

    妥協しないもの選びと、知恵と工夫で理想を形に

    「最近はものを買わないようにしています」といいつつも、「魅力のある道具は目につくとね」と笑う鄭玲姫さん。

    京都で営む李朝喫茶「李青」に同じく、自宅の台所も美しい道具に囲まれています。

    ひときわ目をひくのは、凛とした佇まいの水屋箪笥。

    画像: リビングから続く台所。窓辺には鄭さんが集めた古道具をディスプレイしたコーナーが。鉄網に植物を合わせるなど、自由な見立てで楽しんでいる

    リビングから続く台所。窓辺には鄭さんが集めた古道具をディスプレイしたコーナーが。鉄網に植物を合わせるなど、自由な見立てで楽しんでいる

    「これは30年くらい前、指物師の方がつくったもので、京町家を取り壊すときに出たケヤキの大黒柱を再利用したものです。本当は漆を塗るのですが、木の風合いが好きだったので塗らないでくださいとお願いして。ちょっとこだわって、古い銅の持ち手を付けてもらいました。迷いはありませんでしたが高価なものですからね。手に入れるときは、えいやっ! ですよ」

    数々の愛用品のなかには、鄭さんのアイデアから生まれたアイテムも。ときに職人さんにオーダーし、ときに自らアレンジし、「あったらいいな」を少しずつ手に入れてきました。

    画像: 水屋箪笥の裏側に設けたパントリーには、季節の調理道具や乾物を保管。梅酒など自家製酒のストックは、コルク栓のある市販の酒びんを再利用

    水屋箪笥の裏側に設けたパントリーには、季節の調理道具や乾物を保管。梅酒など自家製酒のストックは、コルク栓のある市販の酒びんを再利用

    竹の棒で仕立てたふきん掛けや、墨汁を塗った木箱のコーヒーコーナーは、こうした「ひらめいたことは即実行」が叶えた、自慢の相棒たちです。

    画像: 扱いやすい手ぬぐいは小さくカットして、竹かごと合わせておしぼりに活用

    扱いやすい手ぬぐいは小さくカットして、竹かごと合わせておしぼりに活用



    <撮影/伊藤 信 取材・文/山形恭子>

    鄭玲姫(チョン・ヨンヒ)
    1998年に、京都市上京区にて李朝家具や陶磁器を設えたカフェ「李青」を開く。伝統茶など韓国の食文化を伝えるとともに、店内の一画で骨董や手仕事の日用品なども販売。京都市内の岡崎公園で毎月開催される「平安蚤の市」に出店することも。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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